突出した「韓流」放送時間
そもそも「フジテレビと韓流」が不自然とも言える〝蜜月関係〟になったキッカケは何だったのか。さるフジテレビ関係者は、03年にNHKのBS放送で人気を呼んだ「冬のソナタ」から始まった「韓流ドラマブーム」にあったという。
「当時、BSから始まって総合テレビで再放送されると、〝ヨン様ブーム〟が巻き起こり、その経済効果は、日韓両国で、2300億円と弾くシンクタンクもあったほど。そこで、韓流ドラマ人気に目をつけたウチの局が、『冬ソナ』に主演したチェ・ジウの出演ドラマを相次いで買い付けました」
しかも、ここにきて韓流ドラマだけでなく、KARAや少女時代のブレイクでがぜん注目を浴びるK.POPにも着目。韓国文化を猛プッシュする戦略も、その裏には、フジテレビのアジア戦略が深く関係しているという。映画関係者が明かす。
「フジテレビはグループ傘下企業を使って、80年代からアジア進出を図ってきました。当時は香港や中国で、そのメインがジャッキー・チェンの主演映画ですよ。そして00年に韓国映画『シュリ』がヒットした頃から、韓国とのパイプを強めていく。今では、韓国ドラマ制作を中心としたコンテンツ事業支援ファンドに出資しています」
つまり、韓流ブームが日本国内で盛り上がるほど、フジテレビもその恩恵を受けるというのである。
前出のデスクが話す。
「04年当時、韓国人スターをCM起用した商品の売り上げが軒並み30%アップ、その年の韓国への日本人観光客数は、約19万人の増加という爆発ぶりでした。昨年暮れのヨン様来日イベントも好評となれば、フジテレビとしては、第2のヨン様を探し、何としても抱え込みたいからこそ、韓流ドラマやK.POPに躍起になるのでしょう。その最右翼が最も旬なイケメンスターのチャン・グンソクであり、ヨン様の弟分のキム・ヒョンジュンでしょう」
さらに「フジテレビの韓流びいき」は数字にも如実に表れている。批判の対象であるフジテレビの韓流ドラマの長時間放送について、ライバル局のTBSが算出し、報道で揶揄しているのである。前出のデスクが続ける。
「情報番組『アッコにおまかせ!』(7月31日放送)の中で『1カ月で40時間』と報じたことで、視聴者の反応がフジ批判により傾いています。これには韓国のテレビマンも、『もし、自国の放送局が他国の作品をこれほど流していたら、抗議が殺到ですよ』と冷ややかで、所属事務所を辞めた俳優の高岡に同情的でした」
ちなみに同番組の測定によれば、NHKが4時間、テレビ東京が12時間、そしてTBSは20時間だったが‥‥。
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