今オフはまさに流出ラッシュ! セ・パ主力選手がFA、ポスティングで次々とメジャー挑戦を表明し、プロ野球マスコミを騒がせている。だが、その意気込みに反して冷ややかな反応だったり、いらないチームに勝手に売り込んで物議を醸したりと、日米の査定にはかなりの温度差があるようで‥‥。
巨人のお家騒動が一段落し、野球マスコミの注目は例年にない数のメジャー挑戦者に集まっている。ヤクルト・青木宣親(29)、ソフトバンクからは、川﨑宗則(30)と和田毅(30)、楽天・岩隈久志(30)、西武・中島裕之(29)、横浜・真田裕貴(27)、そしてついに動いた大物、日本ハムのダルビッシュ有(25)。日本では屈指の実力を誇る7人のサムライだが、アメリカでの評価は意外なものだった。
その典型が、FAの川﨑である。何しろ「イチロー選手と同じチームだけを希望します」と宣言したのだ。他球団から好条件のオファーがあっても、「行きますと言うわけがない」と断言し、マイナー契約も受け入れるというのだから。
マリナーズを「逆指名」するという前代未聞の行動に出た川﨑は、代理人もマネジメント会社もイチローと同じものを選ぶほど、イチローに心酔。だが、名指しされたマリナーズのズレンシックGMは「入団を希望してくれるのはうれしいし、誇らしく思う」と獲得に前向きなコメントを発表したものの、実は大困惑なのだ。大リーグ研究家の友成那智氏が憤慨する。
「困りますね、これは。アメリカのメディアではバカにされていますよ。『何で来るんだ? まったく必要ないのに、なぜ獲る?』と。遊撃手ではゴールドグラブ賞候補になったライアンという、抜群に守備範囲の広い選手がいる。川﨑は二塁、三塁も守れるというが、二塁にはアクリーという3番打者がいるし、三塁は強打者のポジションなので、非力な川﨑にはやらせません」
マリナーズはメジャー30球団中、得点力が最下位という超貧打線。
「だからイチローと同タイプの非力な選手はまったく必要ないんです。入団したとしても完全に控え要員。一説には、イチローが任天堂元社長の山内溥オーナーに、獲得を進言したとも・・・・。球団も(獲得する際の)言い訳に苦労している」(友成氏)
欲しいわけがない選手をしぶしぶ獲るハメに。その実力もまるで評価されていないのに、だ。
「川﨑のプレーを見たスカウトは『3人の中でいちばんヘタ。あのショートはダメだ』と失格の烙印を押している。3人というのは川﨑、中島、ツインズの西岡剛(27)。確かに打撃も守備も、あの力量ではメジャーでレギュラーを張るなんて無理ですよ」(スポーツ紙デスク)
さらにマリナーズ関係者は、こんな「エラー」も指摘するのだ。
「マイナー契約も受け入れるというが、メジャーとマイナーはキャンプが別々。シーズン中もシアトルから車で1時間半のタコマが本拠地で、イチローとはプレーできません。『それがわかってて来るのか?』と球団スタッフは失笑している。そもそも何をアピールするのか。走力、守備力? やっぱり打撃力なしにメジャーに上がるのはかなり苦しい」
みずからまいた種とはいえ、前途は超多難で、
「思い出作りの1年になるでしょう。ダメだったらソフトバンクに戻ることになっている。だから球団も『行ってこい』と余裕なんです」(前出・デスク)
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