NHKの人気キャスターだった有働由美子アナ(49)が突如、3月31日付で退社した。このフリー転身の裏にはなんと、かつて取材のイロハを学んだ大物監督の「遺言」がきっかけとしてあったというのだ──。
「実は有働アナがNHKに退社を申し入れたのは、年が明けてから間もなくのことだったそうです。くしくも今年の1月4日には『サンデースポーツ』でも共演していた星野仙一氏が膵臓ガンで逝去。星野氏と有働アナはかつて“男女の仲”と報道されるほどの親密な関係でした。その死去が彼女の独立を後押ししたのは間違いない」
こう明かすのは、古巣のNHK関係者である。3月30日放送の「あさイチ」で8年間務めたメインキャスターをV6の井ノ原快彦(41)とともに卒業。その翌日の31日には、もう退社していたというのだ。この関係者が続ける。
「有働さんの退社が公になったのは、4月4日のこと。その直前に、一部のマスコミで退社のニュースが流されたほどで、かなりバタバタだった。年度またぎもさることながら、それほど退社の慰留がギリギリまで繰り広げられていたために発表がずれ込んでしまった。社内でもほとんどの人は有働さんが辞めるのをニュースで知ったほどでした」
当初、有働アナは昨年末の段階でメインキャスターを務める「あさイチ」の降板を申し出たものの、退社ではなく、早朝の帯番組担当のハードスケジュールから解放されたいという、有働アナたっての希望があったからだという。別のNHK関係者が明かす。
「なにしろ彼女のスケジュールは平日が朝4時起き。5時半過ぎには、ハイヤーが迎えに来て局入り。そのまま生放送を交えてお昼頃まで反省会などバタバタの超多忙ぶりだった。もちろん、『あさイチ』以外の番組はほとんどできないのが実情。そこで本人はディレクターのような制作の現場にも挑戦したがっていたため、局の上層部も今年4月からのアナウンサー職のトップである管理職で局長クラスにあたるエグゼクティブ・アナウンサーへの昇進含みで降板を了承したと聞いていました」
ところが年明けに星野氏の逝去で事態が一転したのは、冒頭のコメントのとおり。不意打ちとも言える有働アナの退社を巡っては、局の幹部が極秘裏に交渉にあたり、慰留工作を続けてきたが、有働アナの決意は固く、最終的には退社を容認せざるをえなかったという。
「今回、NHKが一番人気のキャスターである有働アナの退社を認めたのは、かつて管理職への昇進を巡ってゴタゴタした、池上彰氏の退社時の苦い経験がトラウマになっている。池上氏もジャーナリストにこだわりがあって、NHKの上層部と軋轢が生じて退社。現在はNHKの番組にも出演するようになりましたが、それでも冷却期間に8年もの期間を要した。そうした轍(てつ)を踏みたくないので慎重な対応になった」(スポーツ紙放送担当記者)
今後はフリーとして、退社以前に決まっていた仕事をこなすだけでなく、当座はジャーナリストとしてNHKを中心に仕事をすることになるという。
「現在、有働アナはNHK-BSの『世界のプリンス・プリンセス物語』の取材でヨーロッパに行っているほか、すでに『100年インタビュー』では松井秀喜を担当。中でもシーズン後に特番を放送する予定のエンゼルスの大谷翔平のインタビューにも名乗りを上げているほど。フリーになってあらためて彼女の原点であるスポーツ番組にのめりこんでいますよ」(制作スタッフ)