スポーツ

武豊 4000勝の「初耳“裏”トリビア」18(3)左右にもたれる馬を仰天矯正

 競馬サークル関係者が振り返る。

「他馬に騎乗した騎手たちから、武への騎乗批判の声が相次いだのです。スポーツ紙もそれに合わせるかのように、センセーショナルな見出しで叩いた。以降、武とマスコミの関係は冷戦状態となり、同時に人間不信にも陥った。今でもあのレースのことに触れられるのは嫌なようです。その時の検量室の雰囲気を思い出したくないと‥‥」

 その後、問題のコーナーは、角度が少し緩くなるよう改修されている。

 武豊の競馬人生で、2010年はターニングポイントとなった重要な年だ。3月、毎日杯でザタイキに乗って落馬。鎖骨と腰椎骨折で、4カ月近い休養を余儀なくされた。復帰しても、その影響でなかなか勝てない。当然、騎乗回数も減っていく。ここで武は考えた。

「過去のレースを繰り返し見て、騎乗フォームやレースの組み立て方を再検討した。体も一から作り直そうと考えて、専属のトレーナーをつけて鍛え始めました。騎手に専属トレーナーというのは、あまり聞いたことがありません」(スポーツ紙競馬担当記者)

 そうして迎えた13年の日本ダービー。ディープインパクトの仔キズナで直線一気を決め、5回目のダービー制覇を果たしてみせた。

 今では「体もしっかりしているので、還暦まで乗れるのではないか」と漏らしているほど、自信に満ちている。もし毎日杯で落馬事故を経験しなければ、その後の競馬人生はだいぶ違ったものになっただろう。

「ちなみにトレーナーとは今日に至るまでほぼ毎日、一緒にトレーニングをしている。海外遠征の際にも、同伴しているぐらいです」(スポーツ紙競馬担当記者)

 知られざる珍プレーとして挙げたいのは、90年6月30日の4歳未勝利戦。1番人気馬サニーフェローに騎乗して勝利したのだが、なんと鞭を2本持ってレースに臨んでいた。同馬は左右にもたれる癖があり、それを見越して左右両方どちらにも鞭を持って矯正に備えたのだ。後にも先にも、2本持ちはこの時だけである。

 武は日本で最も1番人気馬に多く乗った騎手だが、単勝万馬券の馬に騎乗したことがないわけではない。ベテラン競馬ライターが言うには、

「これまで28回乗っており、14年3月1日の阪神5R(3歳未勝利)で13番人気、単勝151.5倍のエアジャモーサに騎乗し、逃げ粘って2着。デビュー以来、初めて単勝万馬券の馬で連対を果たしました

 これまで積み重ねた重賞勝利数は329。もちろん日本最多記録だが、実はいまだ騎乗していない平地重賞が存在する。すなわち、中山金杯、オーシャンステークス、新潟大賞典、サウジアラビアロイヤルカップ、福島記念、カペラステークス、ターコイズステークスの7競走だ。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    「王座戦」初防衛に王手をかけた「鬼神・藤井聡太」の勝利の方程式は「パイナップル・キノコ抜き・室温20度」

    いくら漫画でも、こんな展開は描けない。将棋の第72期王座戦5番勝負第2局が9月18日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで行われ、午前9時の対局開始からわずか30分で76手まで進む「AI超速将棋」を藤井聡太七冠が制して2連勝。王座戦初…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
プロ野球FA戦線「移籍大穴候補」に浮上したDeNA主軸と阪神の代打男「それぞれの動機」
2
【緊急】中日に「異常事態」発生!退団即呼び戻し&指導経験ゼロの「球団広報」がコーチ就任って…
3
「夜の営みが一番うまかったのは誰?」に困惑した熊田曜子が「さらなる直球質問」で明かした大物芸人との関係
4
【今季回顧】中日・涌井秀章「1打席22投球」プロ野球珍記録を江川卓が絶賛「よっぽど冷静なんですよ」
5
山健組・中田浩司組長「殺人未遂事件で無罪判決」にあった「ミスター無罪」の存在