「日本記念日協会」という一般社団法人がある。記念日を認定しているのだが、その協会によれば、毎日が何らかの記念日にあたるのだという。ちなみに同協会によれば、1942年にアンネ・フランクが「アンネの日記」を書き始めた6月12日が「日記の記念日」だそうだが、世の中を見渡せば、社会のために記憶に残したい事象が起きているのは当然だろう。が、ひるがえって個人で考えても、一日一日を自分にとってどんな日だったか、振り返る「日記」の効能が、今見直されているという。
あらゆる病気を引き起こす自律神経の乱れを正す効果があると、「日記の効能」を説き、勧めているのが順天堂大学医学部教授で日本体育協会公認スポーツドクターの小林弘幸氏だ。小林教授は自著「三行日記を書くとなぜ健康になれるのか?」(アスコム)で、こう述べている。
〈自律神経の乱れが、ガン、糖尿病、高血圧などあらゆる病気を引き起こす。この自律神経を整える最強の健康法が「3行日記」です〉
その理由をかいつまんで言えばこうだ。
睡眠と自律神経には深いつながりがある。嫌なことがあった日や、明日に何か不安がある日の夜はなかなか寝付けない。嫌な夢を見てしまったり、夜中に目が覚めてしまうこともある。多忙の中でその日にあったことを忘れてしまっていることが多い。自分の気持ちと向き合うことは、自律神経を整えるために欠かせない。3行日記は、1日たった2分で自律神経を整えるのを助けてくれる。
詳細は割愛するが、書き方があると言い、そのコツをこうアドバイスする。
〈1行目にはその日の失敗や嫌だと感じたことを書く。2行目にはその日の成功や良かったこと、感動したことを書く。そして3行目には明日の目標や今、関心を持っていることを書く〉
たったこれだけのことなのだ。しかしこの三行日記は、ただ日記を書くのとは違うとも言う。
〈ネガティブなこと、ポジティブなこと、未来への展望という重要な3つ記すことは自律神経を整える中で重要。それには、眠る前に、できればノートや手帳に手書きすること〉
その日の悩みはその日の内に解消し、清々しい気持ちで明日を迎えられれば、おのずと健康はついてくる!毎日、長い日記をつける気がしない向きでも、今年は三行日記健康法にチャレンジしてみてはいかがか。
(谷川渓)