闘病中の競泳女子・池江璃花子が公式ホームページを開設し、近況を報告した。開設から4時間半でカウンター数が2万件を超える大反響だった。このことを聞かされた日本水泳連盟、東京五輪組織委員会は、「この勢いをオリンピックに」の思いに駆られたのではないだろうか。
5月9日には、東京五輪・パラリンピックのチケット販売の抽選申し込みが始まった。「どの競技も購入希望が多い」とのことだが、水連は一抹の不安を抱いていた。
「競泳の決勝戦チケットは、いちばんいい席で10万8000円。予選でも3万7500円。どの競技も高額設定となっています。今のところ売れ残ることはないと思われますが、安い席から売れていくようでは、東京五輪の盛り上がりにも影響してきます」(スポーツ紙記者)
その競泳チケットをPRする重大な任務を託されたのが、OBの北島康介氏である。北島氏のPRコマーシャル出演が発表された宣伝イベントでのことだ。会場に集まっていた人たちも「えっ~!」と、驚きの声を挙げていた。長く競泳界を牽引してきたレジェンドではあるが、引退後は実業家に転身している。テレビ解説を辞退したこともあり、競泳界とは少し距離を置いていただけにファンが驚くのも当然だろう。
「水連は否定していますが、北島の抜擢は急展開に決まったというのがもっぱらです」(体育協会詰め記者)
北島氏はイベントで「これ以上、何も言えねぇっす」とメダル獲得時に叫んだ“流行語”をパロディーに変えるなど、お客さんを必死に盛り上げていた。「北島サンって、こんなに軽かったっけ?」という声が出ていたそうだが、それも、北島氏の「高額チケットが売れるように」の思いによるものだろう。
「個人メドレー・平泳ぎの渡部香生子や背泳ぎの入江陵介、バタフライ・個人メドレーの瀬戸大也などメダルを狙える位置にいる選手もたくさんいますが、彼らはスランプ状態です。競泳会場では池江を心配する声が絶えません」(前出・体協詰め記者)
池江不在の穴を埋めるべき選手たちがスランプに陥っているとなれば、有名OBの力も借りるしかない。池江の一日も早い回復を願うばかりだ。北島氏がピエロになってまでアピールした決勝戦で日本選手がスランプを脱出してくれたらいいのだが…。
(スポーツライター・飯山満)