国民的な好感度を誇った女優・岡江久美子さんのコロナウイルスによる急死は、芸能界のみならず、多くの人に衝撃を与えた。昨年末の乳がん手術から放射線治療による免疫力低下があったとはいえ、家族ですら最期のお別れができない進行のスピードは、コロナウイルスの恐ろしさをまざまざと見せつけている。
さて、岡江さんは、実は芸能界きっての酒豪という意外な一面もあった。96年から13年まで「はなまるマーケット」(TBS系)のオンエアが月~金の午前中に控えていたが、それでも、合間を縫っては深夜まで飲むことも多かったようである。
そんな岡江さんが愛した店のひとつが、東京・六本木の一角にあった。カウンターのみ6席という小さなバーだが、土地柄のせいか俳優やミュージシャンがお忍びで訪れることでも知られていた。岡江さんは番組スタッフと店を訪れては、好きな焼酎をロックでクイクイと空け、初対面の客にも気さくに話しかけることが多かったようだ。ただ、一度だけ例外があったと常連客が明かす。
「岡江さんが飲んでいる時に、一時、トレンディドラマで人気だった俳優のXが入ってきたんです。かなり泥酔していたためか、店の雰囲気を壊すような大声を上げていました」
Xは岡江さんの姿を見かけると、呼ばれたわけでもないのに強引に隣の席へ座る。前出の常連客が続ける。
「年齢的にも芸能界のキャリア的にも岡江さんのほうが上ですが、Xがタメ口で岡江さんにしつこくからんだ。さらに、執拗な“ボディタッチ”を繰り返していたんです」
店全体が騒然となる中、見かねた店主が「帰れ!」と一喝。さらに「2度とこの店の敷居をまたぐな」と出入り禁止を宣言したという。
「一番の被害者である岡江さんは、うろたえることもなく悠然としていました。もちろん、気分を害したでしょうが、そんな素振りをまったく見せないのは、さすが大物芸能人だと感心しました」(前出・常連客)
今回の訃報に、Xは反省の念を新たにしただろうか──。