西の大関は、デビューから10年目に主演作「愛がなんだ」(19年、エレファントハウス)が、単館系ながら大ヒットした岸井ゆきのを。
「この映画の好みは分かれるところだが、成田凌とともに主演コンビの演技はすごく良かった。いわゆる“ブサカワ”の顔立ちではあるけれど、ただきれいな子よりもおもしろい演技はできる」(映画監督・野本史生氏)
桃井かおりの実兄で脚本家・桃井章氏も、抑揚をセーブした岸井の演技を賞賛する。
「心ならずも“都合よくヤレる女”というポジションを絶妙に演じ、女性客の共感を得ていた。ただ、この演技力を生かすドラマに出演していないことが少し不満」
東関脇は、新世代のヒロインとなりうる清原果耶だ。CMでは「日本生命」や「オロナミンC」などインパクトある出演が続いている。
「各所で絶賛の嵐で、山田孝之は『役柄のキャラクターを瞬時に汲み取ることができる。専属契約を結びたいくらい』と口にしたほど。『日本生命』のCMでも見せたように、情感を溜めて、それを静かにセリフに込める泣きの演技は絶品。イマドキっぽくないのもいいですね」(芸能評論家・織田祐二氏)
補足するのは前出・野本氏だ。
「NHKの『透明なゆりかご』(18年)のヒロインをやっていて、一発で清原はいいなと思いました。昨年も『マンゴーの樹の下で』(NHK)で主演をやっていたけど、硬い表情からフッと緩んで笑顔になる時に引き込まれる。美形だが、切れ長の瞳で決して派手な顔立ちでないところも魅力」
10代戦線は熱くなる一方で、西関脇には浜辺美波が入った。美少女研究家の高倉文紀氏が、インタビュー経験を踏まえて分析。
「世の中的には元気なイメージですが、実際はおっとりした印象。ヒット作となった『君の膵臓をたべたい』(17年、東宝)や『賭ケグルイ』(19年、ギャガ)など、ライトノベルやコミックの原作のものを演じるのは非常にうまい。10代で立て続けに主演を張るのは、最近では珍しいですね」