いまや欧米でも一般人がマスクを装着するなど、マスクを取り巻く文化は世界的に変化を見せている。そしてアメリカでは、マスクをアパレルアイテムのひとつとして取り扱う例が増えているようだ。
「チーム応援グッズを取り扱う大手業者のファナティクスでは、様々なプロスポーツリーグのチームロゴをあしらったマスクの取り扱いを始めました。用意されているのはアメフトのNFL、プロバスケのNBAと女子プロバスケのWMBA、アイスホッケーのNHL、そしてプロサッカーのMLSです。価格は1枚入りが14.99ドル、3枚入りが24.99ドルで、3枚入りはすべてデザインが異なっているのが嬉しいところ。またアメリカで高い人気を誇る大学スポーツチームのロゴ入りマスクも売られており、こちらは3枚入りで19.99ドルとプロチームよりも少し安くなっています」(スポーツライター)
そのアメリカで今、チーム関係者が着用するマスクにスポンサーのロゴを入れる動きも始まっているという。
「全米で一番人気の自動車レース『NASCAR』(ナスカー)では、5月17日に再開するレースにて、すべての関係者にマスクなど感染防止アイテムの装着を義務化。それらのアイテムに、スポンサーのロゴを入れることを認めることが各チームに通達されました。これが広まると、応援アイテムとしてのマスクにもスポンサーロゴが入るのは確実。今や多くのアメリカ国民がふだんからマスクを装着するようになったので、その宣伝効果に着目する企業も多く現れそうです」(前出・スポーツライター)
では具体的に、NASCARのレースで関係者が試用するマスクには、どのぐらいの大きさのロゴが入るのだろうか。
ちなみに、アメリカの4大プロスポーツではユニフォームに広告を入れることを禁じており、2017年に解禁したNBAでもロゴのサイズを2.5インチ(6.35センチ)四方に制限。その小ささから「パッチ」と呼ばれており、ウォリアーズのユニフォームに貼られている「Rakuten」(楽天)のパッチは日本でも有名だ。
対してサッカーのMLSではリーグ開始当初から、世界基準に合わせて大きなロゴを許可。そしてNASCARでも自動車レースの世界的な潮流に合わせて、車体やユニフォームに大きな広告ロゴを貼ることを認めているのだ。
「それらのロゴが今後はマスクにもあしらわれそうです。NASCARではガソリンやオイル、自動車保険、そしてビールなどの広告ロゴがおなじみ。日本でもクアーズやバドワイザーは有名ですから、アメカジ好きには受けるかもしれませんね」(前出・スポーツライター)
マスクですら商売に結び付ける発想は、なんともアメリカらしいのかもしれない。
(金田麻有)=写真はイメージ=