社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<夏型過敏性肺炎>「長引く咳や息切れは『エアコンの中』に原因が」

 夏のくしゃみや鼻水、鼻づまりに悩まされている人は、花粉症よりもハウスダストの可能性が高い。

 これはカビやダニが原因で発症するアレルギー症状。ダニは20~30度、湿度60~80%の環境を好むため、梅雨明けの時期に急激に繁殖する。そのため、アレルギー症状を訴える患者も増える。

 大切なのは部屋のこまめな換気。カーペットや寝具、カバー類などを可能な範囲で洗濯して清潔に整えておくことも肝心だ。部屋の湿度は60%未満に抑えることが望ましい。

 特に咳や息切れが起こる「夏型過敏性肺炎」は「トリコスポロン」というカビが、原因の70%を占める。

 特に発生リスクが高いのが、エアコンのフィルター。冷房を使用する時には、エアコン内部が冷え、空気中の水分が水滴となりフィルターに付着する。しかし、水滴を拭き取ることは難しいので、この水滴がカビになるためだ。

 最近のエアコンは「掃除付き自動クリーニング機能」があるので、カビの心配はない、と思い込みがちだがこれは間違い。この機能は、エアコンの内部を乾燥させてカビやニオイの発生を防ぐことであり、内部にたまる外気の汚れや、ホコリを取り除いているわけではないからだ。そのため、ホコリだらけのエアコンを使うと、カビを含んだ空気が部屋中にバラまかれ、アレルギーを引き起こす原因となってしまう。

 また、エアコンの下に空気清浄機を置くとかえってホコリを舞い上げてしまうため避けたほうがいい。「夜、寝る時になると咳が止まらない」といった症状の人は、エアコンの風の流れと布団の位置などの見直しをお勧めする。

 ちなみに、いつもこの時期に体調が悪くなる人は、内科や耳鼻咽喉科などでアレルギー検査を受けておくのもいいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
DeNA大型新人・度会隆輝「とうとう2軍落ち」に球団内で出ていた「別の意見」
2
「趣味でUber Eats配達員をやってる」オードリー若林正恭に「必死の生活者」が感じること
3
豊臣秀吉の悪口に反論したら「耳と鼻をそがれて首を刎ねられた」悲劇の茶人
4
桑田真澄に「偉業を全て盗まれた」同級生の元バッテリー捕手が明かす「ほとんど完全試合」時代
5
「3Aで最多安打記録」巨人に新加入の外国人ヘルナンデスに「超不吉なデータ」