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前田日明 アントニオ猪木は「いつもスケールのデカい反面教師」

テリー 格闘技界のことを伺いたいんですが。最近の日本の、特に若い選手なんかはどうなんですか。

前田 自分らの頃よりも今の若い子はけっこう天才的な子がいますよ。感覚だけでやってるんじゃなくて、自分がなんでこういうことができるかを、ちゃんと説明できるような子が。

テリー 具体的には?

前田 例えばキックボクシングの世界だと、キックボクシングを将棋のように戦略的に捉え、相手との距離を5段階に分けて、遠い順番にどういう防御や攻撃をしたらいいか、それをスムーズにやるために普段はどういう練習をしたらいいかも体系的にやってる久保優太君がいたり。空手の世界では、世界選手権を3連覇するような纐纈卓真(こうけつたくま)君もいますしね。

テリー へぇ~!

前田 纐纈君は極真空手の百人組手にも最年長で挑戦したんですけど、70人、80人目でもボンボン1本勝ちして、100人目もラッシュして終わりました。今までの百人組手は、だいたい50人過ぎるとサンドバッグ状態ですから。纐纈君がやってるYouTubeの技術解説を見ると、長年格闘技界にいる自分でさえ目から鱗が落ちるような着目点や身体感覚の解説に驚かされます。自分らの頃には想像もつかなかったような人がいますね。

テリー 日本の格闘界は明るいということですか。

前田 格闘技界だけじゃなくて、たぶん各分野にいると思いますよ。それを大人がちゃんと見つけて、引っ張り上げなきゃダメですよね。そういう優秀な子が、不思議なことに埋もれてることが多いんですよね。

テリー 前田さんにとっては、例えば猪木さんがそういう人ですか。

前田 ある意味ではそうですね。それに猪木さんからは、太く生きたからといって人生が短いとは限らないという哲学を、いろんな意味で教えられました。「前田日明はプロレスをぶっ壊した」だのって言われますけど、自分自身は昭和55年に新日本プロレスに入門した頃に猪木さんが言っていた「これからのプロレスはこうなっていくんだ」ということを、そのままやっただけなんですね。何も特別なことはしてないです。一字一句違わず、教えられた通りにやっただけですから。

テリー 前田さんの活躍を見て、何かアドバイスはくれたんですか。

前田 いつもスケールのデカい反面教師でしたね。

テリー あ、そうなんだ(笑)。猪木さんとはどんな思い出があるんですか。

前田 日本プロレス時代を知る先輩から「昔、こういうことがあったんだよ」っていう話をたまに聞くことがあって、それはいつも驚くことばかりでしたね。ある時なんかは、力道山先生のクルーザーに乗せられて、どこかへ釣りか何かに行った帰りに、初島沖でいきなり力道山先生に「お前、ここから泳いで帰れ」って言われたらしいんですね。で、3時間か4時間泳いで帰ったらしいんですけど(笑)。普通だったら死ぬじゃないですか。

テリー 普通はね。猪木さんって、ビジネスマンとしてもすごかったですよね。

前田 猪木さんは猪木さんで、当時の力道山先生がいろいろやったことを、付き人っていう立場で真横で見ていて、影響されたことが多いんじゃないですかね。

テリー ということは力道山さん、猪木さん、前田さんとつながってるわけだ。じゃあ今、前田イズムを引き継ぐ人はいるんですか。

前田 時代もありますしね。世間的には自分がやったことって、プロレスから総合格闘技への橋渡しみたいなことなんですけど、今はプロレスか総合格闘技かの二者択一ですね。自分と同じ状況ではありませんから。

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