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間垣親方(白鵬 翔)「もう右ヒザが限界だったんです」

テリー 最後の七月場所は全勝優勝でしたけど、初日(対明生戦)はちょっと危なかったですよね。素人の僕が言うのもなんですけど。

白鵬 そうですね。でも初日に勝って、実は自分の中では「今場所いける」と思ったんです。

テリー あ、そうなんだ。どうしてですか。

白鵬 私の相撲はいつも左足から出て、左前褌(まえみつ)を取るんですよ。でも、3月に右ヒザを手術して、2カ月間リハビリしましたから、七月場所ではできないと判断したんです。それだと右足が軸足になるので、15日間もたないと思ったんですね。もうすでに右ヒザに水が溜まってましたし。

テリー わぁ。

白鵬 で、右足に負担をかけないように右足から出て、右上手を取る戦い方に変えた。それは例えば野球で言うと、右バッターがシリーズ初日に左バッターになって、ホームランを打ったのと同じようなものなんです。だから、自分の中で「よし!」だったんですよ。

テリー 確かに2日目からどんどん調子が上がっていきましたよね。じゃあ、全勝優勝のキモは初日と、やっぱり千秋楽の大一番ですか。

白鵬 いやぁ、自分の中では13日目です。

テリー えっ、そうなの?

白鵬 実はあの場所の目標は10勝でした。で、それは10日目でクリアできたんですが、もう右ヒザが限界だったんです。軟骨が割れて、医者からは「もう一回傷めたら人工関節になります」と釘を刺されてましたから。

テリー あぁ、そうだったんだ。

白鵬 それで、もう限界ということで、師匠と関取衆たち、もちろん家族にも「今場所限りで引退します」と伝えたんです。でも、10勝した時に「あと5日はいける」という感じもあったんですよ。人間って勝ってると欲が出てくるし、もう最後ですから、優勝したいですからね。

テリー そうですよね。

白鵬 で、13日目の夜に眠れなくて。次の日の相手が大関・正代関だったんですよ。対戦成績はいいんですけど、直近の去年の春場所で負けてるんですね。正代は背筋と腰が強くて、ヒザが伸びたまま相撲を取るんですが、あの相撲は正代だけの世界で、やってみろと言われてもマネできません。どんなに低く当たっても、しかも自分の踏み込みができないから前褌が取れないんですよ。夜寝る前に何度シミュレーションしても全然勝てないんです。で、いつもは勝ちパターンを見つけて寝るんですけど、見つからなくて、いつの間にか寝てしまったんです。

テリー ええっ、大変じゃないですか。

白鵬 で、朝起きて、トレーナーの大庭(おおば)(大業(ともなり))先生に会った瞬間に「今日は離れます」「当たりません」と。それで仕切りから離れたんです。

テリー 土俵際いっぱいまで下がりましたよね。

白鵬 離れれば正代の圧力を受けず、自分はヒザを曲げて相撲を取れますから。自分のヒザが伸びず、上体で相撲を取れると判断したんですね。離れたら正代がビックリしてたので、これは勝ったと思いましたね。まぁ、あまり横綱がやることではないので、ちょっとその後はいろいろ言われましたけど。

テリー 照ノ富士関との千秋楽でもかち上げのことがいろいろ言われましたね。ああいう批判はどう思ってたんですか。

白鵬 横綱として(土俵態度が模範とされる)双葉山関を目指した時期もありましたけど、もうそういう相撲は取れないと思ったのは、やっぱりケガですよね。でも、20年もやれたのは本当に皆さんに感謝ですし、自分のことも改めて褒めてあげたいというか。ちょっと言葉では言い表せないですね。

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