社会

東電原発事故“超A級戦犯”の逃げ切り厚顔生活を追求(2)「戦犯である関係者たちは知らぬ存ぜぬ」

 東電のもう1人の超A級戦犯は、00年から02年まで東電社長で、事故当時は顧問だった南直哉氏(78)。電力自由化を図り、世界一高い電力料金を引き下げようという動きが、かつて旧通産省にはあった。政界人脈などを駆使してこれを全力で潰し、地域独占企業を維持し続け、そしてあの悲惨な大事故が勃発した。いわば、東電の傲慢体質を守り、事故に至らしめた陰の大悪人である。その後、原発に関するデータ改竄・隠蔽問題で辞任し、現在はフジテレビや産経新聞を束ねるフジ・メディア・ホールディングスの監査役となった。

「泥棒に警察をやらせているようなもの」として、毎年の株主総会で辞任要求が出ているが、居座り続けている。

「産経新聞にはいまだに『新幹線と同じ、災害に強い原発は可能』などという原発擁護の記事が載る。どこの新幹線が、処理しようのない使用済み核燃料を出すというのか。フジと東京電力との異常な癒着体制を改めるさせるよう、今年に入って私たち有志で総務省に要請に行きました。が、その権限はないというにべもない答えでしたね」(フジ・メディアHD株主)

 事故当時、官邸に詰めていたのが、当時の原子力安全委員会委員長・班目春樹氏だった。彼が「爆発はない」と断言した3月12日、爆発は起きた。

 原発を推し進める過程でも、完璧な原発はできないからどこかで「割り切る」必要がある、と強調していた班目氏。割り切りの結果が福島原発事故である。

 彼は12年に委員長を退任すると、その年に「証言 班目春樹」(新潮社)が出版された。「原子力安全・保安院が逃げてしまった」「文科省からSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報隠しの責任を押しつけられた」と弁明が続く内容だ。

 東京大学名誉教授の肩書となった班目氏は昨年、国内やカナダで何度も講演を行った。「原子力に関わる若手に望むこと」と題する内容は、ほとんど事故当時のことだ。講演を聞いた学生は、

「福島原発に向かうヘリの中で菅総理(当時)から『原子力に詳しい東工大の先生はいるか』と尋ねられた話を出したりする。東工大出身の菅さんが、非常時にも学閥にこだわっていることを揶揄していて、笑ってしまいました。政治家や官僚を攻撃する語り口も巧妙で、つい引き込まれてしまいます」

 と言うが、「専門家は自分だけ」「質問など許されない緊迫した雰囲気」「情報は入らない」「チェルノブイリのようになるのか? など、政治家からひっきりなしに答えにくい質問がされる」‥‥などと、当時の状況を得意気に語りつつ、科学者はどうあるべきかを論じているのだ。まさに反省の色なしと言えよう。

 あまり指摘されていないが、安倍晋三総理(59)も、原発事故に直接の責任を負っている。第1次安倍内閣であった06年12月、共産党・吉井英勝衆院議員から、地震による原発事故の危険性を指摘する質問主意書が提出された。津波による影響や送電鉄塔の倒壊など、福島原発事故をそのまま予測する内容であった。

 しかし、安倍総理は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はない」として、何の対処も講じなかったのだ。

 今、福島原発からは汚染水が漏れ続けている。安倍総理はIOC総会で「汚染水は0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と言った。だが、そのあと、福島原発を視察した際、小野明所長に「例の0.3平方キロってどこ?」と聞いている。こんな人物が原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、再稼働をもくろんでいるのだ。

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