スポーツ

スポーツ紙が書かないプロ野球“裏相関図”<セ・リーグ編>(1)「落合GMの誕生がセ・リーグに波紋を呼んでいる」

20140327e

 いよいよ今月28日に開幕を迎えるプロ野球。打倒・巨人を掲げた5球団だが、その足並みはまったくそろう気配がない。中日に落合GMが就任し、いきなり大規模なリストラを実施。これに巻き込まれた関係者たちの怨嗟の声が広がっているのだ。これを読めば、セ・リーグの遺恨が一気にわかる──。

 中日の落合博満GMの誕生が、セ・リーグに大きな波紋を呼んでいる。中でも遺恨を生んでいるのが、横浜DeNAとの関係だ。

 11年9月、落合は中日監督を解任された時、コーチ陣を集めてこう言った。

「オレはお前たちの世話はできない。自分たちで(再就職先を)探してくれ」

 当時ヘッドコーチだった森繁和のもとには、すぐに巨人をはじめ、数球団から声がかかった。とりわけ身売りに伴い誕生したDeNAの監督に就任した中畑清は、真っ先に森に入閣を打診した。

 しかし、森はすぐに他球団のユニホームを着るのは申し訳ないと、将来の有望株として友利結コーチを推薦。さらには、みずからのドミニカルートで獲得したブランコをDeNAに送り込み、チームの骨格を築き上げた。

 そして迎えた今シーズン、落合GM──谷繁元信監督ラインで、ヘッドコーチに就任。中日に戻った森は、DeNAから2人のコーチを招聘した。1人は、池田剛球団社長と確執のあった波留敏夫外野守備走塁打撃コーチ。もう1人は、池田社長から「投手を誰一人育てていない」と批判され、更迭された友利投手コーチだ。中日入りした2人のコーチのDeNAに対する憎しみは、なみなみならぬものがあるのだ。

 それどころか、落合GMと中畑監督の確執も根深い。そのルーツは、80年の日本プロ野球選手会の創立まで遡る。初代委員長の中畑は、組合の理事長に巨人時代から昵懇だった大竹憲治(元巨人)を起用したが、これを追い出す形で落合が個人マネジャーだった松原明を強引に送り込んだ経緯もあり、2人の関係は最悪なのだ。

 一時は、森の仲介もあり和解したかに見えた両者だったが、今回の中日の人事で、“仁義なき抗争”の予感すら漂うのだ。

 ましてや中畑は「3年でCSに出なければ辞める」と言っていたが、あっさりこれを撤回。駒大後輩の高橋尚成の獲得に奔走していたことで、コーチ陣にまで目が行き届かなかった経緯もある。コーチ人事をフロント任せにしていた中畑の不徳とも言えるが、落合にどう落とし前をつけるのか見ものだ。

 一方、落合GMは用意周到で、したたかな一面をのぞかせる。かつて確執が伝えられた長嶋清幸を打撃コーチに起用したのだ。

「落合GMが監督時代の06年、当時、作戦・外野守備走塁コーチだった長嶋に対し契約打ち切りを宣告。これに怒り心頭の長嶋が落合監督と高代延博(現・阪神守備走塁コーチ)を記者会見で批判して遺恨となった。ところが、長嶋の真意は、単に高代との個人的な確執だったことから、阪神を牽制する意味で恩讐を越えて獲得した」(球団関係者)

 まさに、寝業師の人事だ。

◆スポーツライター・永谷脩

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
ロッテ・佐々木朗希「日本ハムに3対1の電撃トレード」謎の投稿が激論に!
2
トレバー・バウアー「メジャーリーグに動きなし」で「DeNA復帰」Xデーは交流戦明け
3
落合博満が「ありうるよ」と言うセ・パ交流戦「全12球団9勝9敗で優勝チームなし」の異常事態
4
DeNA筒香嘉智の逆転本塁打を「美談にするな」!江本孟紀が異論「アメリカで成功しなかった人が…」
5
藤浪晋太郎「負傷者リスト入り」の「理由隠し」で駆け巡る「不穏なウワサ」