11月3日から日本で唯一の米女子ゴルフツアー公式戦「TOTOジャパンクラシック」が開催される。世界を制した渋野日向子の豪快なスイングのほか、年間女王争いでトップを走る山下美夢有の精密ショットも見逃せない。日米で活躍する注目12人のプライベート情報も交えて、見どころをお届けしよう。
日米の両ツアーを兼ねる「TOTOジャパンクラシック」(滋賀県、瀬田ゴルフコース北コース)には、米ツアーを主戦場に活躍する畑岡奈紗(23=世界ランキング10位。10月25日時点)、古江彩佳(22=同20位)、笹生優花(21=同30位)、渋野日向子(23=同38位)ら海外トッププロ43人、日本ツアーからも10月16日終了時点のメルセデス・ランキング上位35人が名を連ね、予選落ちなしの4日間で優勝を争う。
中でもスポーツ紙記者が注目するのは渋野の好調ぶりだ。
「渋野は8月『全英女子』で3位と復調し、10月『BMW女子選手権』の最終日にはホールインワンを達成するなど好調なだけに、笑顔やトークが炸裂する“しぶこ劇場”が見られそう」
一時期、フォーム改造や恋人との破局で不調が伝えられていたが、
「昨年10月『スタンレーレディス』で300ヤードのビッグショットを放ち、2年ぶりに勝利すると『ああじゃ、こうじゃと言っちょった人を見返してやりたかった』と(笑)。その後、米ツアーの予選会を20位で突破し、今季の米女子ポイント順位は33位で来季のシード権も手中に収めている」(スポーツ紙記者)
ただ、自慢の飛距離は米ツアーで67位(平均259ヤード)と、まだまだムラッ気が抜けない。そこが渋野の魅力でもあるが、飛ばし屋の笹生は、平均275ヤードで第4位に位置している。ゴルフライターが話す。
「笹生は今季、優勝こそありませんが、トップ10入りが4回と、去年『全米女子』を制した実力は健在です。新世紀世代の笹生は、黄金世代の渋野を姉のように慕っていて、同組になると喜んでいます(笑)」
ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏も「波長の合う選手と同組になるとプラスに働く」と前置きして、こう続ける。
「渋野が19年『全英女子』で優勝した時も今年3位の時も、アシュリー・ブハイと最終日の最終組で回っている。2人ともおおらかで、プレーのテンポも似ている。ライバルでありつつ、遅延行為のような駆け引きもしない。相手がいいプレーをすれば拍手し合い、次は私も、という気持ちになるのでしょう」
渋野の公式ユーチューブでは、10月「メディヒール選手権」の練習ラウンドを笹生と一緒に回る姿が配信されている。2人はとても仲がよく、今回、同じ組で回ることになれば快進撃も期待できそうだ。それでも宮崎氏は、黄金世代の畑岡とミレニアム世代の古江を優勝候補に挙げる。
「畑岡の技術は間違いなく日本でナンバーワン。今季も1勝(米通算6勝)しています。中国でのツアー戦が中止になると、松山英樹が出場した10月『ZOZOチャンピオンシップ』をギャラリーに紛れて観戦。『グリーン周りが課題なので参考になる』と話すほど、向上心が旺盛なところも日本のエースにふさわしい」
米ツアー初挑戦の古江も7月「スコットランド女子オープン」で初優勝を飾り、凱旋帰国となった10月「富士通レディース」も連覇して国内8勝目を挙げた。その8勝全てが9月以降の“秋女”で、昨年の「TOTO──」の覇者だけに、今大会も大いに注目される。
「米ツアーは母親が帯同して、特に食の面で支えている。初優勝時の朝食がお茶漬けだったそうで『今もルーティンでやってます』と明かしていた。ちなみに畑岡も母親が帯同していますし、渋野もお忍びで帰国すると、母親の料理でリフレッシュしているそうです」(ゴルフライター)
母親の存在は絶大なのだ。