政治

宮崎謙介<巷の陳情>突撃調査隊「葉梨前法相を許すまじ『失言罪』を作れ」

 葉梨康弘前法務大臣のことが、どうしても許せません。「法務大臣は死刑のハンコを押した時だけニュースになる地味な役職だ」という発言はとんでもないものです。更迭されたからいい、とは納得できません。言葉の刃ってあると思うので、「失言罪」があってもいい気がします。あの副総裁なんて「前科」だらけになってしまいますが。

 誹謗中傷を取り締まる侮辱罪の厳罰化は、法改正が成立しました。これによって、インターネット上の誹謗中傷対策がより強化されることになりましたが、実際に発言したものに関しては微妙です。しかも、特定の誰かに発したわけではない失言は、どうしたらよいものか。「えー、そんなこと言うんだ、ひどいね」で終わらせられたらいいけれど、ずっと心に引っかかってしまう言葉もあります。

 今回の葉梨さんの発言は確かに、失言というレベルではない。命の終焉を扱うシーンを地味というのは、政治家以前に、人としてどうかなぁと感じます。

 かつての今村雅弘復興相のことを思い出しました。東日本大震災の時に「(震災が起きたのは)東北でよかった」と言ったのには驚きで、あれも一発アウトです。個人に向けられたものではないとはいえ、東北の方々が大変だった時期に、より傷つきました。

 女優の高畑充希さんがSNSで、言葉の刃について語って話題になったことがあります。改めて読んでみたら「道を歩いていて、急に通り魔に刺されたような。え!?と動揺している間に、気付けば心が死んでいました。運よく身体は死ななかったから、今こうして文章を打てているんだけれど」と。言葉の刃に当たったら心の死に至る、とたとえていましたが、実際にそうです。言葉の暴力によって傷付き、自殺してしまう人もいるのです。

 僕が議員時代、先輩議員から、発言については気を付けるよう指南されたことがあります。特に留意すべきは「3つのH」だと。それは「放言」「本当のこと」「本音」。それぞれのイニシャルがHです。中でも「放言」がよくないのはわかりますね。

 ただ、2つ目の「本当のこと」は話してほしいと思いませんか。でも、ここは国の中枢を扱っている以上、本当はこうなんだけど、現段階ではまだ公表できないことがある、としたら仕方がないのだと。 

 やはり最も難しいと感じるのが「本音」です。みなさんは、本音を吐露しますか。夫婦間でもどうですか。これは言っちゃいけないけど本当はこう思っている、という本音。あるいは、世の中の価値観と反するけど本音はこうだ、というもの。実は意外と多いと思います。そういうものがちょっと慢心している時、あるいは調子に乗っている時にペロッと、リップサービスとして出てしまうことがある、それが今回の葉梨さんだと言っていいでしょう。政治家だって人間ですから。

 だから許していいワケではありませんね。調子に乗ってペロッと失言して失敗した経験がある人は多いでしょう。これは政治家でなくても、誰もが一緒です。この失言事件に真相はないと思いますが‥‥。

 ということで、ハナシには気を付けましょう。

宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。

カテゴリー: 政治   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
元木大介が明かす巨人監督「長嶋茂雄と原辰徳」選手との食事に見る「決定的な違い」
2
LE SSERAFIM・NATURE・NewJeansの「対立・活動終了・空中分解」…韓国ガールズグループに「騒動の連鎖」
3
打撃不振のドツボにハマッた巨人・大城卓三に「一塁手コンバート」再燃
4
「築地球場」本拠地移転を狙うのは巨人ではなく「西武ライオンズ」という大逆転
5
悶絶級の愛らしさ!「井桁弘恵」を全力応援したくなる「うまい・可愛い・見せる」魅力の宝庫