K-POPの出版権も握った
韓流ドラマ同様に、K.POP界にも、フジテレビの傘下企業の名前がチラつくという。レコード会社関係者が話す。
「すでに複数の韓国アーティストの出版権を所有。KARAの妹分のアーティストにも食指を伸ばしています。今年5月に東京・恵比寿にオープンした『Kシアター』にも10億円の出資をしているように、この分野もフジが頭ひとつリードと言われています」
そしてフジのトップ、日枝久会長が昨年2月に日本と韓国のコンテンツ産業発展に寄与したとして、高麗大学から名誉経営学博士号を授与されたことも、より〝コリア推し〟の流れに拍車をかけたとも言われる。
さらに驚かされるのは、イベントや情報番組の情報操作だけでなく、報道番組でも韓国に配慮した演出や発言が行われていたという。フジテレビ局員が話す。
「昨年10月、サッカーの日韓親善試合を目前に控え、スポーツ報道番組の『すぽると!』で、〈サッカー韓日戦企画がスタート〉という前代未聞のテロップが流れ、言葉を失いました。いくら韓国で行われるアウエー戦とはいえ、常識を疑います。世界でも初めてだろうと失笑されたものです。ところが、その1カ月前にも『韓日プロゴルフ対抗戦』と放送し、その前年には、アナウンサーが『バスケ韓日戦』という表記を使っていたという話も聞きました」
フジテレビとスポーツといえば、フィギュアスケート中継が思い出されるほど、その関係が深い。前出のテレビ局関係者が解説する。
「今回のフジへの抗議行動でも、『(浅田)真央ちゃんがかわいそう!』と叫ぶ声が印象的でした。ライバルの韓国代表、キム・ヨナびいきの報道が、いまだにフジへの不信感につながっているようです」
08年GPファイナルで、浅田は逆転優勝を飾るも、情報番組「とくダネ!」が、〈浅田真央逆転Vも…キム・ヨナ〝実力〟に差〉と放送し、大騒動となったのはいまだ記憶に新しいだろう。スポーツ紙記者が振り返る。
「報道した客観的なデータにミスがあり、浅田の所属先から『意図的な報道に見えた』と厳重抗議を受け、日本スケート連盟からも『勉強不足』と批判されたものでした」
ところが、ヨナと浅田を巡る「偏向報道」疑惑が再燃する。10年の世界選手権終了後、再び視聴者の批判が殺到する事態を引き起こした。前出の記者が続ける。
「09年の世界フィギュアスケート選手権で、ヨナが優勝すると、表彰式からウイニングランまで完全放送したにもかかわらず、07年世界選手権で安藤美姫、08年と10年世界選手権で浅田が優勝した時は、国旗掲揚・国歌斉唱部分がカットされ、表彰式の放送時間が数分程度だったんです」
視聴者から「コリア推し」と揶揄されるフジテレビ。前出の局員は嘆きながらも、こう話す。
「例えば、先日の愛知女子大生モデル殺害事件報道でも、容疑者の家に掲げてあった(韓国の国技)テコンドー教室の看板をモザイクで隠していました。ただ、上層部から政治、思想的な指示があるわけじゃなく、この〝韓流ブーム〟を80年代の〝お笑いブーム〟のように、視聴率につなげたいということだけです」
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