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テリー伊藤対談「百田尚樹」(4)A級戦犯合祀という外交カード

20140828p

テリー 靖国問題はどうお考えですか。

百田 話すと長いんですけど。昭和20年に戦争が終わって、昭和60年までの40年間、日本の歴代総理は58回参拝している。その58回参拝した中で、中国は1度たりとも抗議も非難もしなかったんです。昭和53年にA級戦犯を合祀しているんですが、その間の7年も歴代総理は20回以上参拝しているんですよ。それでも中国はひと言も言わなかったんです。

テリー ふむふむ。

百田 ところが、昭和60年に朝日新聞が総理の靖国参拝を大々的に非難した。さらにその記事を中国に持っていって、注進しにいったんです。「日本の総理はこんなA級戦犯を合祀してる靖国参拝にずっと行ってます。どう思いますか、私らはそれを攻撃しようと思ってるんです」。そこで中国は初めて抗議した。今でこそ日中間の問題になってますが、もともと火をつけたのは朝日新聞なんです。つまり中国は「あ、文句言うたら、これは政治外交カードになるのか」と思ったんですね。ですから、この問題は本来、日本の国内の反政府運動の一環から始まったと僕は見ているんです。

テリー A級戦犯を合祀しているかぎりは、中国も韓国も、今後も言ってきますよね。

百田 日本人の多くは「A級戦犯とは何か」ということを本当は知らないんですよね。

テリー 日本人が決めたわけじゃないですからね。

百田 そうなんです。何となくイメージとして、Aが悪い、Bはその次、そしてC。ABCと等級になるように感じるんですが、実はこれA類、B類、C類と罪の種類を分けただけの話で。A級戦犯について私は調べたことがあるんです。この人がA級戦犯なのに、なぜこの人は無罪なのかとか。イギリス、アメリカ、ソ連と、この辺りの国の思惑があって、適当に決めていて、曖昧さがある。

テリー 僕は日本人の多くは百田さんと同じ意見だと思うんです。とはいえ、A級戦犯を合祀したことにより、昭和天皇がそれ以降参拝してないという事実もあります。だから百田さんが教えてくださったことというのは、日本人的にはわかるんだけど、中国や韓国にそれを説明しても、理解を得るのがなかなか難しいという現実もありますよね。

百田 昭和天皇が参拝しなくなったのは別の理由と思っていますが、確かに自民党内でも意見は分かれていると思います。しかし、断固として筋を通すべきで、A級戦犯合祀は関係ないということで通すべきと。それからテリーさんがおっしゃったように、政治は現実であるから、現実を優先するためには、一種のすり合わせも必要じゃないかという意見もあってね。私自身もし政治家なら判断が難しいです。ただ、それを認めてしまうと、中・韓の内政干渉を認めるということにもなります。つまり日本に主権がないのかと。神社に参拝するというのは、その国民の宗教観や死生観にも関わる問題です。そういうところまで、中・韓に口を出させていいのか、と。彼らはある意味外交カードにしているところがある。

テリー まずは知ることが必要ですよね。今後は、どういうご活動をしていかれますか。

百田 僕は20代の時からテレビの世界で生きてきて、若い時はただおもしろおかしく、銭も欲しいということでやってきたんですが、この年になってくると、日本という国に生まれたことに感謝しているんですよ。だからこんなことを言うのは格好悪いんですけど、何か人のためになることをしたいなと思っています。

テリー 全然格好悪くないですよ。

百田 小説家もいろいろあって、俺は人間の醜さを描くんだとか、社会の不条理を描くんだとかいうのも小説家の大きな使命ですけど、僕は1000円、1500円払ってくれたお客さんが読み終えたあとに、ああ、ええ本を読んだな、俺も明日から頑張ろうと、そう思ってくれる作品を書きたいなと思ってます。

テリーからひと言

 普通の作家さんはテレビの厳しさを知らないのに、百田さんはテレビと小説、両方の世界を知り達しているところがすごい!

 次回の作品は、若い男がセックスをしたくなるような官能小説を書いたらいかがでしょう。今の日本にいちばん必要なものかも。

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