先制して追いつかれ、リードしてまた同点に…。投手交代が裏目に出て中継ぎが軒並み打ち込まれる、なんとも大味な試合展開。9-8でどうにか逃げ切ったものの、5月17日のヤクルト戦(静岡・草薙球場)は、巨人にとって不甲斐ない試合だったといえよう。試合後の順位は相変わらず、セ・リーグ5位。「振り向けば最下位・中日」の状況に変わりはない。
原辰徳監督はチームの立て直しを図るため、昨年は「育成」に力を入れる時期があったが、負けが込み始めた途端に「補強人材を集めろ!」とちゃぶ台返し。フロント陣を困惑させていた。今年はどうなのかと周囲は見守っていたのだが、
「開幕から波に乗り切れない状況に、イライラを募らせる一方。またしても水面下で『補強、トレードを早くしろ!』と号令がかかり、フロントが慌てふためいています」(球団関係者)
序盤は坂本勇人、丸佳浩の大不振がクローズアップされたが、ようやく底を脱した感がある。次に訪れたのは、中継ぎ投手陣の炎上劇。毎試合のように、継投を審判に告げた後にマウンドにやってくる原監督の心中が穏やかでないことは、容易に想像できる。
「原監督がトレードで欲しがっているのはロッテ・澤村拓一、広島・磯村嘉孝、楽天・田中将大など。一刻も早く、バッテリー強化をしたいのです」(前出・球団関係者)
澤村をめぐっては2020年、巨人がロッテにトレード放出した経緯があるが、それをまた戻したいとは…。
トレード期限は7月末。球界の盟主の面目を保つ「サプライズ劇」は実現するのか。