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奇跡の復活「クラッシュ・ギャルズ」は人工関節に膝も悪くて…「試合ナシ」でも嘆いた「課題」

 70年間におよぶ女子プロレスの歴史上、最も黄色い声援を浴びた伝説のタッグ「クラッシュ・ギャルズ」(ライオネス飛鳥&長与千種)が蘇る。今年は結成40周年。それを祝して10月1日、神奈川・横浜武道館でメモリアルイベント「CRUSH GALS 40th Anniversary スペシャルライブ -THE TOP-」を開催するのだ。

 その復活記者会見が6月30日、東京・目黒のホテル雅叙園東京で行なわれた。2人がそろってメディアに登場するのは、05年4月10日に東京・後楽園ホールで行なわれた女子プロ団体「GAEA JAPAN」の解散興行以来、およそ18年ぶり。会見当日は50名ほどのメディア関係者が集まった。

 2人の間で復活プランが持ちあがったのは、35周年の節目だったおよそ5年前。その後、本格的に動き始めようとした矢先の20年に新型コロナウィルスが蔓延したため足踏み状態に。「リモートでしようか」と模索したが、全日本女子プロレス興業に所属していたころ(1980年~89年)のクラッシュは、「ライブで育てられた」という共通認識があったため、時期を見定めた上での有観客ライブにこだわった。

 まさかの復活決定にSNSは、「私の青春」「今でもかっこいい!」「チケット争奪」「2人を見ると元気になる」など、歓喜の声で沸いた。たしかに2人は、会見でも何度も記者を笑わせている。

「私は人工関節ですし、千種も膝が悪いので試合はできないんですけども、体型を元に戻します」

 と飛鳥が公約すると、ややふくよかになった長与は、

「けっこうハードル高いです……」

 とポツリ。長与が、

「(ファンの中心である)40代、50代はまだまだ元気じゃないですか。更年期を吹き飛ばしたい人がアンコール(再演)を入れてくれれば、私たちはどこででもやろうかなと思ってます。更年期を吹き飛ばせ」

 と言えば、飛鳥は、

「更年期をクラッシュします!」

 などとアピールした。

 飛鳥は7月28日の誕生日で還暦(60歳)を迎え、長与は公演時で58歳。

「今は(飛鳥の)何を心配するかって、『血圧、大丈夫?』とか『関節、大丈夫?』とか体の心配をするようになった」と、長与。さらに、

「歌詞を1行たりとも間違わないで最後まで歌えるのか」

「ここからダイエットに入んなきゃいけないんですよ。衣装が入らなくて」

 と弱みを吐露する場面もあったが、このほっこり感こそ最大の魅力。昭和と平成を渡り歩いた“アラ還クラッシュ”が、優しさや温かみ、癒しや笑顔を携えて、令和の時代に戻ってきた。

(伊藤雅奈子)

‘70年生まれ、大阪府出身。元「プロレス・ファン」の編集長で、女子プロ担当記者として「週刊ファイト」「週刊ゴング」などに寄稿。柳澤健=著「1985年のクラッシュ・ギャルズ」に“3人目のクラッシュ”として登場

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