スポーツ

掛布雅之 2014年のプロ野球レギュラーシーズンを総括!(1)

20141023i

 ポストシーズン真っ盛りです。クライマックスシリーズ最終ステージから日本シリーズへ。この時期までプレーできるチームは幸せです。一方で、敗れ去ったチームは来季に向けて、早くも準備、スタートを切っています。日本一を目指す戦いは続きますが、ひとまず、私なりに2014年のプロ野球を総括してみましょう。

 記者投票で決められる両リーグの最優秀選手(MVP)は誰が選ばれるのか。例年、優勝チームから選ばれる傾向が強いのですが、巨人のレギュラー野手で目立つ活躍をした選手はいません。となると、エースの菅野が本命でしょう。故障で夏場に約1カ月離脱したものの、最優秀防御率タイトルを獲得し、12勝をマークしました。パ・リーグは惜しくも優勝を逃しましたが、防御率1.98で両リーグトップの16勝をあげたオリックス・金子が最有力候補です。優勝したソフトバンクから選ぶとなると、セットアッパーで活躍した五十嵐にも票が集まるでしょう。

 私に投票権があれば、セ・リーグのMVPは足のスペシャリストの巨人・鈴木尚広に1票を投じます。今年の巨人は思惑どおりに打線が機能しない中で、粘り強く接戦を制して貯金を増やしました。リーグ最少の失策数で守り勝ったシーズンと言えるでしょう。守り勝つことはイコール、競り勝つこと。その象徴的な存在が鈴木尚でした。阪神も彼の足に屈した試合がいくつかありました。その接戦を逆にモノにしていれば、巨人との順位が入れ代わっていたかもしれません。

 セ・リーグを大いに盛り上げた広島の菊池、丸の同学年「菊丸コンビ」の活躍も印象的でした。菊池はずばぬけて広い守備範囲で、自身が昨季記録した二塁手528補殺のセ・リーグ記録を更新しました。打つほうでも首位打者のマートンを脅かすほどの高打率を残し、今や日本球界NO1の二塁手に成長したと言えるでしょう。

 センターの丸も4割を超える出塁率に長打力も兼ね備え、3番打者として力をつけました。今年の広島はエースの前田が波に乗りきれなかっただけに、菊池、丸の2人の活躍がなければBクラスだったはずです。走攻守の3拍子がそろい、体も強い。山本浩二さんや衣笠さん、高橋慶彦など、一昔前、私たちの時代の広島のスター選手を彷彿とさせる存在です。今後は広島だけでなく、日本球界をも引っ張れるようなコンビとなりそうです。

 下位に低迷したチームでも、以前にも当コラムで取り上げたヤクルト・山田、DeNA・筒香ら若手野手が飛躍したシーズンとなりました。投手で光るモノを感じたのが、中日・福谷です。ルーキーイヤーの昨季はケガの影響で9試合の登板に終わりましたが、プロ2年目のシーズン後半は150キロを超えるストレートを武器に故障した岩瀬、浅尾に代わるストッパーを務めました。指にかかった時のストレートは阪神の呉昇桓にひけを取りません。

阪神Vのための「後継者」育成哲学を書いた掛布DCの著書「『新・ミスタータイガース』の作り方」(徳間書店・1300円+税)が絶賛発売中。

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