今秋ドラフト会議1位候補の前田悠伍投手を擁する大阪桐蔭高校が、全国高校野球選手権大阪大会決勝で履正社高校に敗れ、甲子園出場を逃した。6季連続の出場とはならず、大会3連覇も消えた形だ。前田は8回3失点で降板したが、試合後は進路について「上に向かってやっていきたい」と大粒の涙を流して話した。
決勝戦はプロ野球7球団の編成担当が視察した。前田についてスポーツライターは、
「プロのスカウトの間では直球が速く、低めに決めることができるチェンジアップが完成された投手、という評価です。春のセンバツでピッチングフォームを崩し、コントロールを乱していました。繊細なところがあり、そこがプロで通用するかが心配されています。早熟のため、伸びしろがこれ以上あるどうかも、指名の判断のポイントになりそうです。高校最後の夏に甲子園でどういった精神力やピッチングを見せるか、各スカウトが楽しみにしていただけに、敗退は残念ですね。甲子園不出場となったことで判断材料に困り、1位指名されないのではないか、という声も出ています」
今秋のドラフト会議では細野晴希(東洋大)、進藤勇也(上武大)、西舘勇陽(中央大)、常広羽也斗(青山学院大)といった即戦力や、甲子園出場組の佐々木麟太郎(花巻東高)、真鍋慧(広陵高)、佐倉侠史朗(九州国際大付高)、百崎蒼生(東海大熊本星翔高)、福田幸之介(履正社高)が上位候補となっている。
「投手力を必要としているソフトバンクやヤクルト、DeNAは、大学生投手を1位指名するとみられています。一方で日本ハムや巨人、阪神は近年、甲子園などで活躍した全国区の選手を1位で獲得する意向を持っている。知名度が高く人気がある選手を取れば、観客動員やグッズ販売にもつながりますから。前田が甲子園で活躍すれば、間違いなく1位指名されていたでしょうが…」(前出・スポーツライター)
前田の甲子園不出場によって、各球団のドラフト戦略が変わってきそうだ。