社会

苫米地英人の『騙す脳』(2)

「人類の歴史は『騙し』の歴史である」

 前回は「騙す」ことが生物に備わった機能であること、知能をもった人間の「騙し」は高度であるのだから「騙す脳」を知ることが「騙されない」唯一の防御法であることを解説した。そもそも人間は「騙す」ことによって歴史を作っているという。認知科学者・苫米地英人氏が語る。

「兵法で有名な孫子も『兵は詭道なり』と説いています。つまり戦争とは『欺く』ことで、使えるものを使えないように、近くにあるものを遠くにあるものに、敵をあざむくために味方をあざむき‥‥と、孫子の兵法は戦争で使う『騙し』の教科書なのです」

 大河ドラマの軍師・黒田官兵衛、幕末期の吉田松陰など、孫子の『騙し』に影響された人物は多い。近代ではアメリカを破ったベトナム軍は孫子の兵法を応用していたという。何より戦後日本がアメリカと結んだ「サンフランシスコ講和条約」も『騙し』であるといえる。

「講和とは名ばかりで、真の『独立』を与えられていませんでした。未だに国連憲章の敵国条項は生きていて、だから日本は国際法上でまだ『敵国』とされているのです。このことに多くの日本人がまったく気づかず70年を過ごしているのです」(苫米地氏)

 9月26日、安部総理は国連で演説。日本の常任理事国入りをアピールしたが、敵国条項がある限り、なれるハズがないということになる。

 苫米地氏の著書『「騙す脳」を作る』は、普段耳にする『騙し』の現実から出発して、日本人が世界から晒される『騙し』の渦にも目を向けていくように書かれている。

「身近なところで如実に目の当たりにできる『騙し』の実態と、それを生み出す『騙す脳』の正体を見極めながら、知らないうちに我々を巻き込んでいた巨大な『騙し』に目を見開く必要があります」(苫米地氏)

 知っていて巻き込まれることと、知らずに巻き込まれることには結果に大きな差が出るのは明らかだ。グローバル社会で生き残るにはまず「巨大な騙し」を知らなければならないといえよう。

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