政治

「大阪・関西万博」終わりの始まり(後編)/巨額血税を投入して…「空飛ぶクルマ」出展をめぐる「最悪のケース」予測

 93億円もかけて頓挫した「大阪発ワクチン」と同じ道を辿るのでは…。専門医や技術者の間でそう囁かれているのが、やはり「大阪発ブランド」大阪・関西万博の目玉である「空飛ぶクルマ」だ。

 今年2月、2025年開幕の大阪・関西万博に出展する空飛ぶクルマの運航事業者は、ANA及びトヨタが出資する米国ベンチャー企業のJoby Aviation、JAL、丸紅、SkyDriveの4団体に決まった。だが丸紅は今年5月、大阪万博ではデモ飛行にとどめると表明。提携先の英国ベンチャー企業が無人飛行試験中に墜落事故を起こすなどし、人を乗せて運航するレベルに達しないことが明らかになったためだ。経済部デスクが最悪のケースを予測する。

「経済産業省は今年10月、中小企業イノベーション創出推進事業として、大阪・関西万博で運航事業者に指定されたSkyDriveに、124億円の助成を発表しました。一方、ドイツのベンチャー企業ボロコプターと提携するJALは12月12日に、空飛ぶクルマのテスト飛行を終えています。新型コロナワクチンでは90億円以上の税金を溶かしたあげく、ドイツの創薬ベンチャー企業がmRNAワクチン開発に成功した。大阪・関西万博の空飛ぶクルマも、120億円以上の血税を費やして実用化に成功するのはドイツのベンチャー企業、というオチでは」

 なにしろ新型コロナワクチン開発に失敗した戦犯が大阪・関西万博の責任者に収まっているのだから、十分ありうる話だ。政治部記者が言う。

「大阪府・市が出展するヘルスケアパビリオンは、責任者たる総合プロデューサー・大阪大学の森下竜一教授のほか、『安倍派裏金5人衆』の一員である自民党・世耕弘成前参院幹事長が理事長を務める近畿大学、そして独立行政法人理事長や大学医学部教授が名前を連ねる、アベノミクス利権の巣窟です。民間パビリオンも、在阪企業のほかはパソナや三菱グループなど『安倍トモ』企業が仲良く出展。そして日本医師会の関連政治団体から毎年2億円の政治献金を受け、第二次安倍政権で厚労相政務官として新型コロナの陣頭指揮を取っていた自見英子氏が万博担当大臣ですからね。もう岸田文雄総理は安倍政権の呪い、政治献金と利権でがんじがらめになって、閣僚人事すら思うようにできないのでしょう」

 自民党の派閥政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、東京地検特捜部は12月21日、松野博一前官房長官ら安倍派の複数の幹部側に任意の事情聴取を要請する局面に入った。安倍派や二階派の議員がキックバックとして懐に入れた政治資金パーティー券の購入者は隠されているが、自民党への献金額1位の団体が日本医師会の政治団体で、3位は日本自動車工業会。何をか言わんや…。

 なんの結果も出せないのに、我々の血税を億単位で投じられた団体にパーティー券を買ってもらい、そのキックバックを自民党議員は脱税し放題。納税者も有権者も、ここまでナメられている。マイナンバーとインボイスで全口座を監視、出入金管理されるべきは国民ではなく、自民党議員だろう。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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