芸能

近藤真彦「日々落ちていく恐怖感との戦い」/テリー伊藤対談(2)

テリー その後、「スニーカーぶる〜す」で歌手デビューして大ヒットしますよね。歌手デビューっていうのはどうだったんですか。

近藤 その半年前に田原君がデビューして、「次はお前だぞ」って言われてたので何となく心の準備はできていて。筒美京平先生にボイストレーニングしてもらったり、歌の練習をさせてもらってからのデビューだったので。それでも中途半端なデビューでしたね。

テリー あ、そう? でも、最高の曲だよね。

近藤 そうですね。すごくいい曲に恵まれて。何かアイドルの曲っていう感じじゃなかったんですよね。

テリー せつないんですよ。だって「青春知らず」なんて言葉ないじゃないですか。俺、すごいなと思って。

近藤 ギターの進行もマイナーなんですよ。

テリー そうそう。トシちゃんの明るい曲とはまた全然違うじゃないですか。大人が聞いても、ちょっとジーンとくるような。

近藤 だから今もコンサートでこの曲を歌う時、最初のギターがジャカジャーンって鳴ると、みんなワーッとなりますよね。

テリー 泣くよね。でね、この曲を皮切りにどんどん曲がヒットして、トップアイドルになっていくじゃないですか。それって、どういうことなの?

近藤 どういうことなんですかね。日々落ちていく恐怖感との戦いみたいな。

テリー あ、そういうのあった?

近藤 いや、ずっとありましたね。「スニーカーぶる〜す」も「ハイティーン・ブギ」も「ギンギラ(ギンにさりげなく)の時も。周りから「いつまでも続かないよね、この人気は」みたいな声が聞こえてくる感じが。

テリー あるんだ。

近藤 ありますね。20歳前後の頃から。「トップってどこだろう」と思ってもなかなか見つからないし、トップに行けたとしても今度「それを維持するのが大変だろうな」とか。でも、ちょっと開き直ってた部分もあったし、そういう陰口に対して、「なにくそ負けるもんか」っていう気持ちの方が強かったかもしれないですね。

テリー そういう気持ちって誰かと共有してたの? 例えば、当時付き合ってた彼女とかさ。

近藤 そこは自分でもあまり好きじゃないところなんですけど、グッと我慢して、1人で戦っちゃう感じですね。

テリー 親とかにも言わない?

近藤 言わなかったですね。言っても心配するだけなので。かといって同世代のアイドルに相談したところで、きっと同じようなことを思ってるので。

テリー 解決しないか。当時、仲よかったのは?

近藤 やっぱりトシ、義男ですね。一緒に住んでたので。

テリー その2人にはぶっちゃけられそうじゃない。「俺たち、いつまで続くんだろうな」って。

近藤 何か3人っていうイメージがすごく強かったんですね。「たのきんトリオ」って言われて。3人ともそれがイヤだったんです。

テリー ええっ、そうなんだ?

近藤 だから、3人で話し合ったことって1つもないんですけど、唯一覚えてるのは、「絶対にグループでデビューするのはやめようね」っていう。「何があってもひとりひとりでソロでデビューさせてくださいって事務所に言おうな」っていう話は、最初で最後の3人で決めたことかもしれないですね。

テリー へぇ、そうかぁ。でも、それは正解だったね。

近藤 と思います。その分リスクもあったかもしれないですけど。

ゲスト:近藤真彦(こんどう・まさひこ)1964年、神奈川県生まれ。1979年、「3年B組金八先生」(TBS系)でデビュー。1980年に「スニーカーぶる~す」で歌手デビューして以降は、「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」「ミッドナイト・シャッフル」など数々の作品をヒットさせた。また、1984年からはカーレーサーとしても活動し、2000年にレーシングチーム「KONDO RACING」結成。2023年「日本レースプロモーション(JRP)」の会長に最年少で就任した。2024年1月6日、「Zepp Fukuoka」を皮切りに「MasahikoとYoshio Live Tour2024」スタート。3月23日、31日には日比谷野外音楽堂で「MasahikoとYoshio 野音Live 2024」が開催される。現在、「Masahiko Kondo KANREKI DASH『M5K9』LIVE TOUR 2023-2024」を全国で開催中。還暦バースデーコンサート「日本武道館Thank you veryマッチ-60th Anniversary 2024.7.19」開催決定。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
発生切迫!東京と千葉東方沖で「想像を絶する規模」に/能登半島地震の次に必ず起きる「6つの大惨事」(4)
2
超残虐!「牛裂きの刑」で少年をバラバラにした戦国大名の暴政三昧
3
南海トラフの「前震」が目前の「中京圏・関西圏・四国南部」/能登半島地震の次に必ず起きる「6つの大惨事」(5)
4
武豊が予言していた!春の天皇賞を圧勝したテーオーロイヤル「日本調教馬初の凱旋門賞V」チャンスとガチ実力
5
突然「欠番解消」になった近鉄バファローズの珍事/あなたの知らないプロ野球「永久欠番」秘聞