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西本聖がヤクルト・野村克也監督の誘いを断った理由は「長嶋監督で始まって長嶋監督で終わる選手は少ない」

「コーチにもさせるから、ウチに来てくれって言われたんです。でもそれをすると、自分自身にウソをつくことで裏切るから、それは断ったの」

 これは名将・野村克也監督の頼みを固辞した男の告白である。野球解説者、江川卓氏のYouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉に出演した西本聖氏のことだが、いったいなぜか。

 西本氏は長嶋茂雄第一次政権1年目の1974年に、ドラフト外で巨人に入団した。1981年に18勝を挙げて沢村賞を受賞。1989年には移籍先の中日で20勝し、初の最多勝を獲得した。

 だが、1993年に移籍したオリックスでは5勝を挙げるも1年で自由契約となり、1994年に入団テストを受けて巨人に舞い戻る。西本氏が振り返ったのは、オリックスから自由契約になった直後のエピソードのようだが、それには、

「長嶋茂雄監督で始まって、長嶋監督で終わる選手って少ないだろう」

 という理由があったというのである。

 1994年は第二次長嶋政権2年目だった。巨人と中日の優勝争いが最終戦までもつれた「10.8決戦」があったシーズンだ。結果、巨人が勝利して日本シリーズに進み、西武相手に4勝2敗。長嶋監督初の日本一をつかんだ。

 一方、野村監督率いるヤクルトは、前年にリーグ連覇と日本一を手にしたが、1994年は4位に陥落。1995年、1997年は再び日本一に返り咲いた。

 西本氏は1軍での登板機会がないまま1994年シーズン後に引退し、その後、巨人では入閣していない。この言葉が、実に印象的だった。

「(ヤクルトに)行ってれば、また人生変わってたね」

(所ひで/ユーチューブライター)

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