低迷するプロレス人気を復活させ、長年プロレス界の顔として、その人気を牽引してきた棚橋弘至。このたび新日本プロレスの社長に就任し、再びその手腕を振るうことに。今、氏の目にはどんな未来が見えているのか。その夢の大きさに天才テリーも大興奮!
テリー 新日本プロレスの社長就任、おめでとうございます。
棚橋 ありがとうございます。社長と呼んでください。
テリー アハハハハハ。では社長! まずはどういう経緯で社長になられたのか、そこから教えてください。
棚橋 そうですね。昨年の11月ですか、新日本プロレスのオーナー会社である「ブシロード」の社長に呼ばれて、「次期社長をやってくれないか」という打診を受けまして。
テリー なるほど。
棚橋 僕としては、社長というのは、非常に魅力的だったんですけれども。
テリー あ、元々やりたい気持ちがあった?
棚橋 はい。2015年ぐらいから、周りに「俺は社長になる」って言いふらしていたらしいです(笑)。僕は全然覚えてないんですけど。ただ、2021年に「IWGP世界ヘビー級王座」っていう新しいタイトルが新設されて、まだそのチャンピオンになってないので、プロレスラーとしての目標がある状態なんです。なので、「社長になったら、もうそのチャンスもないな」みたいなところで悩んだりもしたんですけれども。
テリー 社長との両立は大変ですよね。
棚橋 ただ、社長業をしっかりこなしながら、プロレスラーとしても第一線で活躍できたら、それこそ「100年に一人の逸材」を証明するチャンスなんじゃないかと。それでチャレンジすることにしました。
テリー 新日本プロレスの社長っていうのは具体的にどんなことをするんですか。
棚橋 経営面とかっていうのは、これから勉強するんですけども。まず、うちの営業が大会のスポンサーを取ってくるんですけど、そういうところに一緒に行こうと思ってますね。そうすれば、より早く話が進むと思いますし。それは僕が一レスラーとして、プロモーションでいろんな企業さんを回らせてもらった経験値があるので。
テリー それで新日本プロレスをV字回復させた実績がありますよね。
棚橋 それと社長でありながらリングに上がれるという魅力もありますよね。新日本に「ハウス・オブ・トーチャー」というヒールユニットがいて、その中のEVIL(イーヴィル)っていう選手が「俺が社長だ!」って言ってるんですけど、「俺が本物の社長だ!」って言ってやろうと思って。
テリー アハハハハハ。
棚橋 選手でありながら社長という面白さを存分に生かしてやろうかなと思ってます。
テリー 例えばプロレスの魅力のひとつってマッチメイクだと思うんですね。それに社長は関わるんですか。
棚橋 いや、リング内のことには一切関わらないです。
テリー あ、そうなんだ。
棚橋 はい。現役の選手である限りは、僕はそこにはノータッチでいこうと思ってます。
ゲスト:棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年、岐阜県生まれ。立命館大学法学部の3年時に「新日本プロレス」の入門テストを受け合格。卒業後の1999年に入門し、同年10月、真壁伸也(現・刀義)戦でデビュー。2006年、団体最高峰のベルト「IWGPヘビー級王座」を初戴冠。「第56代IWGPヘビー級王座」時代に当時の歴代連続最多防衛記録である〝V11〟を達成、またタレントとしてテレビ番組や映画などにも出演するなど、平成後期のプロレス人気の復活に尽力した。現在は現役を続けながら、新日本プロレスの代表取締役社長を務める。