社会

全国PTAと自治会で同時多発「謎の保険料」「理不尽町内会費」ぼったくり徴収を許すな!

 時代が変わったのか、それともPTAによるイジメなのか…。

 埼玉県和光市内の小学校PTAの、あまりにも乱暴な手紙がSNS上で拡散するや、大炎上。手紙を撤回する騒動が起きた。

 問題となった手紙は4月15日、PTA会長の名前で配布された。ビックリするのは、子供の登下校の安全と学校生活の思い出を人質に取るような、脅迫に満ちているその文面だ。

〈通学班登校についてはPTAの常任委員が担当し、PTA会員の児童で編成していますので、非加入世帯の児童は通学班に入れません。また、児童一人登校は認められていませんので、必ず、毎朝登校の付添いをお願いいたします〉

〈(卒業記念品は)PTA会費で購入するため、非加入世帯の児童には渡せません〉

 PTAに入らない報復に「登校班外し」「卒業記念品外し」で児童を差別すると明記されているのだった。

 和光市は東京都練馬区や板橋区に隣接する、東京都と埼玉県の境に位置する。首都高や外環道の出入口が近いために、交通量がかなり激しい地域である。

 そのせいか、和光市だけでなく隣の練馬区と板橋区も、学校ごとにPTAの締め付けが厳しいことで知られ、登校班エリアによって保護者の代表者の指示に従わなければならない、という謎ルールまである。

 保護者の代表者といえば聞こえはいいが、つまりはボスママのご機嫌次第で登校班外し、1人登校させるなどの権力乱用が起きている。PTA役員にはイジメや同調圧力の自覚などないから、乱暴な手紙の文言を問題だとも思わなかったのだろう。

 緑地や公園が多く、都心まで地下鉄が直通運転している利便性のよさにもかかわらず、家賃相場が低いのは、こうした「育児世帯が暮らすにはメンドクサイ」周辺環境が影響しているのかもしれない。

 ちなみに東京都の他の区はどうしているかといえば、就労希望の高齢者が登録するシルバー人材センター等が、通学路に見守り要員、交通指導員を派遣して児童の登下校をサポートしている。

 和光市には別の火ダネも燻っている。新たにSNSに投下されたのが、埼玉県や大阪府、神戸市など全国各地の幼稚園や小学校の「PTA保険」という「謎の保険」だ。

 PTAに加入すると、同調圧力で子供1人につき150円の傷害保険に加入しなければならない。傷害保険なら、学校で申し込むスポーツ傷害保険(任意もしくは行政区が加入を代行)がある。携帯通信会社の保険でカバーしているのに、保険料を払わないとPTA活動から仲間外れにする、と脅しをかけてくる。

 この春、全国のPTAと町内会で、こうした脅しとともに「毎月たった100円なんだから、町内会費を黙って払え」などというボッタクリが同時多発的に発生している。たった100円でも、チリも積もれば月数万円、年額100万円近い収益になる。都内のとある企業社宅の管理人によれば、4月に入って突然、町内会の人がやってきて、一方的にこう通告したという。

「この町内は老人ばかりになって、町内会活動が成り立たなくなった。なので今年度からここの社宅の利用者に、100円の月会費を払ってもらいます。払わないならゴミ収集は使わせない」

 ゴミ収集は世帯ごとになっており、ゴミ集積場は自前で掃除をしている。

「言っていることがおかしいので区役所に問い合わせたところ、町内会にゴミ収集の権限などないということでした。100円くらいいいじゃないか、という前に、何の権限があって自治会がカネを無心しているのか」(前出・企業社宅の管理人)

 PTAも町内会も「みんなやりたくないのに、渋々やっている」と同調圧力をかけるなら、全部やめたらいい。「子供や住民から巻き上げるたった150円、たった100円」のウマミを知る人たちが、PTAも自治会もやめないだけではないのか。

(那須優子)

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