阪神・佐藤輝明の2軍落ちに、パ・リーグ関係者が色めき立っている。
佐藤は5月14日の中日戦(豊橋)の8回無死二塁の場面で、痛恨の捕球ミス。それをきっかけに無死一、三塁とピンチが広がり、結果的に同点打、勝ち越し打が生まれた。このプレーに岡田彰布監督は「あれで終わりよ」とアキレ顔で、即座に2軍行きを命じた。
佐藤の2軍落ちは、昨年6月25日のDeNA戦後以来。その際は7試合で打率4割7厘と好成績を残し、近本光司が死球を受けて右肋骨骨折、離脱したこともあり、7月5日に1軍昇格した。だが今回は長期化しそうな雰囲気だ。在阪スポーツ紙遊軍記者も厳しい声を上げる。
「この段階でリーグ最多の6失策ですからね。とにかく、今の守備ではとても試合では使えないと、岡田監督は判断している。その上、走塁もひどい。ホームランを量産してくれれば多少は目をつぶれるけど、ここまでわずか3本で、打率は2割そこそこ。下(2軍)で徹底的に鍛え直さないとダメでしょうね」
これまで期待されながら思ったような成績を残せず、球界を去ったり、トレードされた選手はゴマンといる。球団OBからは、
「このままジリ貧状態が続くなら、環境を変えてあげるのも本人のためかもしれない」
という声まで上がり始めている始末だ。さるパ・リーグ球団関係者が言う。
「これから守備や走塁が飛躍的にうまくなることは考えられないし、佐藤も打撃の方に興味があるだろう。とにかくあの飛距離は天性のもので、大いに魅力的。DHのあるパ・リーグに移籍すれば、打撃に専念して大化けする可能性がある。ファームでくすぶるようなら、獲得に乗り出す球団は間違いなくある」
栄光の猛虎軍団にドラフト1位として加わった佐藤だが、今がまさに正念場。このままくすぶってはいけない。
(阿部勝彦)