スポーツ

半生ドキュメント本で激白!長州力を生んだ“在日という源流”「長州から見た猪木の存在」

20150806p

 先にも触れたように、長州はプロレス入りしてすぐに頭角を現したわけではない。ブレイクするまでには、2度の国外遠征を経て、8年もの月日がかかった。

 82年10月8日、後楽園ホールでアントニオ猪木、藤波辰巳と組んだ長州は、試合中から年下の先輩であり、叩き上げのスター・藤波を過剰に意識し、パートナーであるにもかかわらず小競り合いを展開。格下扱いを不満に思ってきた感情をぶつけ、試合後にも「お前を叩き潰す」と叫んで決起したのだ。

 長州の人生を変えたとも言える、俗に言う「かませ犬事件」には黒幕がいたようである。田崎氏に仲間割れを仕組んだ人間を問われ、長州はこう答えている。

「仕組んだというのは‥‥アントニオ猪木でしょうね。うん、仕組んだとしたら」

 猪木は遠征先のメキシコから帰国した長州に「このままでいたら、このままで終わる」という内容の檄を飛ばし、藤波に対する感情を爆発させるようたきつけたのだという。長州はこうも話している。

「闘いというのは、コントロールできる闘いと、できない闘いがあるんですよ。後楽園では自分でもあんな感情があるというのは、驚いていた。“あー、俺は今、カミングアウトしている、自分(の素の姿)と違うな”という感触はありましたね。猪木さんもここまで出るとは思っていなかった」

 藤波は、この展開を事前には知らなかったと口にした。同著では、猪木が藤波には伝えないことで、手探りの長州と、まったく事情を知らない藤波のかみ合わせが緊迫感を生んだのではないかとしている。

 トップレスラーに上り詰めた長州はその後、83年にジャパンプロレス、02年にWJと、2度にわたって新日本を飛び出し、敵対する団体を作った。しかし、いずれも最終的にはまだ猪木のいた新日本に戻っているのだ。田崎氏が明かす。

「取材の最後に近づくと、猪木さんの話が多くなりましたね。初めて会った時から猪木さんのことをかっこいいと思っていたと。『タイガーも藤波さんも坂口さんもみんな、猪木さんの手のひらの上で踊ってる』と話し、いまだに猪木さんにはかなわないという口ぶりでした」

 ところで、長州はWJ旗揚げ時に「プロレス界のど真ん中を行く」と宣言していたが、その真意を田崎氏に聞かれ、

「自分の韓国人の血。幼少の頃のひけめみたいなのがある。端を歩いていたというかな。子供時代に言えなかったんです。ど真ん中を歩くぞと」

 こう吐露した。

 現在の長州は、3人の娘が全員、日本国籍を選んだことが大きいようで、日本への帰化申請を行っているという。

 これから先は、いったいどんな形で「ど真ん中」を突き進むのだろうか。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「キスしてる?」質問にフジテレビ・井上清華が衝撃「赤面もじもじ返答」の「まさか!」
2
岡田監督と不協和音!阪神・佐藤輝明「怒りの2軍落ち」で問題視された「試合に向かう姿勢」
3
ロッテ・佐々木朗希「日本ハムに3対1の電撃トレード」謎の投稿が激論に!
4
広島・新井良太2軍コーチ「地元女子アナと結婚」までの「夜の歓楽街」寂しい活動
5
「昔のヒット作」新シリーズが日本ではもうウケなくなったワケ/大高宏雄の「映画一直線」