テリー ところで、もうすぐあの3月11日が巡ってきますね。生島さんは東日本大震災で、妹さんご夫婦を亡くされて。
生島 そうですね。あの年の2月におふくろがあの世に旅立って、その準備をしている最中に、あの地震で遺骨とともに妹夫婦も流されてしまった。
テリー もう少し早く出発しているか、地震の発生が遅ければ‥‥。
生島 僕はけっこうポジティブですから、ずっと「大丈夫、見つかる」と思っていたんですよ。でも、情報がこないまま何日もたっていくとさすがに「これは厳しいかな‥‥」と思えて。
テリー その現実は、おいそれとは受け入れられないですよね。
生島 地震発生後、週明けの月曜がラジオの生放送で、そんな状況ですからお通夜みたいな放送をしてしまったんですよ。そしたらリスナーから、「生島さん、大変なのはわかるけど、私たちは生島さんの元気な声を聴いて1日元気で頑張ろうと思ってるんだから、しっかりして」って言われたんです。
テリー 厳しいけど、温かい言葉ですね。
生島 その声にずいぶん後押しされましてね。自分より大変な人が、このラジオを頼りにしているかもしれない。そう考えて、翌日から頭を切り替えて、頑張ることができたんです。
テリー リスナーも喜んだでしょう。
生島 でも、やっぱり妹夫婦のことは諦めきれなくて‥‥その時に心配して電話をくださったのがアッコさん(和田アキ子)なんです。「生島、お前、ちゃんと最悪の状況も考えとけよ」と。それから江原(啓之)さんにも、「そういう理不尽な理由であの世に旅立った人は、なかなか成仏できないで中間層で下を見てるはずだ」と言われて。
テリー そうなんですか。
生島 「だから生島さんは、とにかく妹さん夫婦の分まで倍も3倍も頑張って、思い切り生きてください。そうすれば安心してあの世に旅立てるから」って。2人の言葉で、僕も「よし!」と腹をくくって頑張ろうと思ったんです。
テリー そういう人が周囲にいるのは生島さんの人柄ですよね。
生島 今、「アサ芸」でも連載をやってらっしゃる帯津良一先生、とてもステキな方で、お会いした時に「一日一生」という言葉をいただきましてね。
テリー それはどういう意味ですか?
生島 「朝起きたら今日が最後だと思って、悔いなく生きてください」とおっしゃるんです。先の妹夫婦の出来事から、人生には突然の死が訪れることをあらためて実感したものですから、この言葉が胸に染みましてね。それ以来、朝起きたら「今日が最後かもしれない」、そんなふうに1日単位で頑張り続ければ、その延長が人生になると思うようになりました。
テリー すばらしい。「アサ芸」読者も女性の胸ばっかり見てないで1日を大切にしないと。
生島 いや、でも時々は息を抜かないとダメですよ。「アサ芸」を見ながら「いい胸してるなぁ」というのも全然アリ(笑)。それもワーク・ライフ・バランスですから。
◆テリーからひと言
ホントにいろいろなものが頭の中に詰まっていて、話を聞きながら感心してばかり。やっぱりしゃべりのプロはすごいね。教えてもらったプランク、頑張ってやってみます!