近頃、ふとした瞬間に「あれ?目のピントがおかしいぞ…」。そんな感覚を持った人はいないだろうか?
もしも、答えが「YES」で、さらにあなたが片時もスマホを手離せないような生活を送っているとしたら、それは「スマホ老眼」の可能性が非常に高い。
スマホ老眼? そんな言葉は初めて聞いたという人も多いはずだが、いまや現代人の生活に欠かせなくなったスマートフォン、そのスマホの長時間利用により現代人を猛烈な勢いで襲っている健康被害の一つが「スマホ老眼」なのだ。
突然、目のピントが合いにくくなるこの症状は、「老眼」といいながら、スマホユーザーなら10代や20代の若い世代にも現れるというから、だれもが注意しなければいけない“現代病”ともいわれている。
目薬でおなじみの参天製薬がこのほど行った、「スマホ老眼」を自覚したという10~50代の男女(500名)を対象としたアンケートによれば、約8割が週1回以上この症状を自覚し、なんと週5回以上も「目のピントが合わなくなる」人が3割近くにも上っている。
「スマホ老眼は『ピント調節筋(毛様体筋)』の使いすぎが原因。100mダッシュをした直後に足の筋肉が疲労してうまく歩けなくなるようなイメージでしょうか。つまり、筋肉の使いすぎです」
そう教えてくれたのは、「スマホ老眼は治る!」(扶桑社)の著者でもある眼科医の荒井宏幸先生。1日あたりのスマホ閲覧時間が長ければ長いほど「スマホ老眼」になりやすいと荒井先生は警鐘を鳴らすが、とくに「3つの習慣」が危険だという。
「『電車スマホ』『歩きスマホ』『寝転びスマホ』ですね。文字や光がブレたり揺れたりする中で画面に集中することで、ピント調節筋が格段に疲れやすくなる」(荒井先生)
案の定、前述のアンケート対象者は「歩き」「電車」「寝転び」でのスマホ使用が習慣化している人が多かった。とくに「寝転びスマホ」は84%と高い。
その対策としては、スマホに依存しないことが最善であることは間違いないが、少なくとも「3つの習慣」に注意することは必要だろう。また、水分を含んだタオルを温め、瞼の上に置いて目を休める「ホットアイマスク」などもそれなりの効果があるといわれているが…。
「すでに症状の出ている人なら、『ピント調節筋』の血流を改善して、筋肉疲労を取り除いてあげることが重要。その調節機能を改善する目薬を使用するのもいいでしょう。ちなみに目薬は時間を決めて、毎日同じ時間に使用することをお勧めします」(荒井先生)
アンケートを敢行した参天製薬からは「メディカル10」など、ピント調節筋に働きかける点眼薬が発売されているが、とにもかくにも現代人は「スマホ老眼」対策を一刻も早く打ちたてることが不可欠といえるだろう。