スポーツ

夏の甲子園でスターになれなかった男たち(8)松田宣浩だから起こった悲劇のエラー

20160810matsuda

 昨シーズンは自己最多の35本塁打、94打点を記録。今シーズンもすでに20本塁打を越えるなど、パ・リーグ首位を走るチームの牽引役を果たしている松田宣浩(現・ソフトバンク)。ホームランを打つたびに「熱男~~!!」ポーズでスタンドを率先的に盛り上げるムードメーカーとしても今やチームに欠かせない存在だが、そんな松田が高校時代、唯一出場した甲子園では、その陽気な性格が涙でくれるほどの屈辱的な結末が待っていた。

 岐阜の名門・中京高校に進学後、主に3番ショートで活躍し、高校通算61本塁打を記録。2年生時の00年夏の選手権には双子の兄とともに出場している。

 その初戦の那覇(沖縄)戦では4打数1安打2三振1四球1盗塁とチームの主力としてはややもの足りない成績に終わったが、彼を待っていた最大の落とし穴は守備だった。1-1の同点のまま突入した延長11回表。2死二塁のピンチの場面で那覇の打者が放った打球は三遊間への深い当たりとなった。ショートの松田はこの打球に素早く追いついたが、焦りからボールを握り損なっていた。次の瞬間、ファーストへ投げたはずの送球は悪送球となり、ジャンプする一塁手の頭上を越えてファールグラウンドを転々。その間に二塁ランナーに勝ち越しのホームインを許してしまったのである。

 だが、これは単なるミスではないことは誰の目にも明らかだった。普通なら外野へ抜ける打球に足の速い松田だからこそ追いつき、プロでも通用した肩の強い松田だったからこそ一塁へ投げられた、ワンランク上のプレーだったのだ。

 しかし、結果的には痛恨のエラー。攻走守すべてにおいてスピード感ある、三拍子揃ったプレーが魅力の松田ならではの“しくじり”が、彼の夏をも終わらせたのである。

(高校野球評論家・上杉純也)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
DeNA大型新人・渡会隆輝「とうとう2軍落ち」に球団内で出ていた「別の意見」
2
「趣味でUber Eats配達員をやってる」オードリー若林正恭に「必死の生活者」が感じること
3
桑田真澄に「偉業を全て盗まれた」同級生の元バッテリー捕手が明かす「ほとんど完全試合」時代
4
「3Aで最多安打記録」巨人に新加入の外国人ヘルナンデスに「超不吉なデータ」
5
ラモス瑠偉「W杯惨敗サッカー日本代表コキ下ろし」に抗議電話15万5000件/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」