上田のほかにMXでは、NHK時代に「クボジュン」の愛称で親しまれた久保純子(44)や、「つきあってみたい女子アナランキング」1位に選ばれたこともある元フジテレビの宮瀬茉祐子(34)ら、そうそうたる面々が番組を彩っている。
14年まで「5時に──」や「ニッポン・ダンディ」のMCを担当し、現在は「週末めとろポリシャン♪」で活躍する元日テレの町亞聖(45)はMXについてこう話す。
「以前の職場でも年末年始の生放送の特番で、若い女性タレントが野球拳をするなど本当にムチャをしていたことがありました。MXには私がアナウンサーとしての第一歩を踏み出した、20年前のテレビの古きよき時代と同じ雰囲気が残っています。テレビが大切にしていた、『ばからしいことやくだらないことを大真面目に』を今も守り続けていて、今後も“普通”を目指さずにいてほしいものです」
MXで働くきっかけは、日本テレビでの最後の仕事となった、徳光和夫(75)が司会を務める番組のアシスタントプロデューサーだったこと。その頃、徳光が大川氏を紹介して、現在の仕事につながっている。
「一時は人事異動でアナウンサーの職から離れ、12年もブランクがありました。女子アナ30歳定年説を覆し、40歳で会社を辞めた私を使ってくれる局や番組があるのか不安で自信もなかったのですが、MX側から、『アシスタントではなく、女性の司会者がいてもいいのでは』と声をかけてくれたのです。MXが型破りなように、私自身も他の女子アナとは違う道を歩んでいるので、枠にはまらずに生涯現役でいたいと思っています」(前出・町)
元局アナをMXに誘う際の「選考基準」について、前出・大川プロデューサーはこう説明する。
「今まで競争したことのない人とばかり仕事をしていたので、高い倍率で勝ち抜いた局アナに興味があったんです。実際に仕事をしたら、あまりにも優秀で人間的なクオリティが半端なくて、MXのアナより5倍くらいは上(笑)。うまい人と仕事をすると、自分たちも伸びるので、そういう狙いもありました。あとはタイミングしだいで声をかけさせてもらっています」
堀氏が大川プロデューサーから誘われたのは、13年4月にNHKを退社して、市民投稿型のニュースメディア「8bitNews」を始めた頃だった。
「『市民目線でニュースを届けるのは、MXが開局当初に立ち上がった時の理念そのもので、MXにもすごくなじむと思う』と言って誘われました。それから報道の方を紹介してもらって『モーニングCROSS』を立ち上げることになったのです」