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アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.3(1)力道山と日航スッチーの恋

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 1950年の朝鮮戦争特需により、日本の高度経済成長は1960年代に加速した。力道山婚約、東京五輪、ビートルズ来日などに国民がわきにわいた。いわばアメリカのおすそ分けの繁栄を国民は謳歌したのだが…。

 力道山はルー・テーズとの歴史に残る死闘などで、プロレスのみにとどまらず国民的ヒーローになったが、その結婚問題もマスコミで注目されていた。

「40歳までに結婚したい」とほのめかしていた力道山だが、63年1月7日、大野伴睦氏が立ち会い、晴れて婚約発表を行った。

 アサヒ芸能1963年1月20日号では記者会見の模様を中継しつつ、婚約者の素顔をクローズアップしている。

──

 新婦は元日航国際線アテンダントの田中敬子さん(21)。力道山は前年11月23日、38歳の誕生日に彼女と見合いして「皇后陛下に似たやさしい顔」にすっかり魅せられたという。

 敬子さんは、身長160 センチ、55キロのふくよかなグラマー美人で、力道山は彼女に一目ぼれした。記者会見で、

「これからは一人者のときのように馬鹿はせず、よき家庭人になるよう努力する」

 と抱負を語っていた力道山。

 日航国際線スチュワーデスの田中敬子さんは、

「プロレスをテレビで見て、危険な商売だと思いました。少しでも早く引退してもらいたいですね。」

 と偽らざる告白をしていた。

──

 とアサヒ芸能1963年1月20日号では報じている。だが皮肉なことに、力道山は結婚して十ヶ月後に、トラブルから住吉一家の下部団体組員に左下腹部を刺された後遺症で死亡、39歳の若さだった。

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