厳しい寒さに耐えながら、春の訪れが待ち遠しい。草木が芽を出し、動物が目覚めれば、多くの美女キャスターたちも各局報道番組を舞台に、一斉にうごめきだす。4月の改編は、待望のカムバックもあれば、策略までが見え隠れ。舞台ウラをザッピングして見ていこう。
何より、NHKの大改編が目立っている。
井上あさひアナ(35)が「ニュース7」土、日、祝日版のメインキャスターに抜擢され、局内外でソワソワが止まらない。
この背景には、今年1月24日に退任した籾井勝人NHK前会長の存在があるという。
「籾井会長時代は、不祥事も多く、『NHKの黒歴史』との声が局内で出ています。また、籾井会長は独裁体制とも揶揄され、『ニュース9』(『ニュースウォッチ9』)の大越健介キャスターは、籾井さんの意に反する発言を番組で続けたとして、15年3月で降板させられたと言われます」(NHK関係者)
大越アナ自身、番組の送別会で「言いすぎて怒られた」とコボしていたそうだ。
そして、とばっちりを食ったのが、同じ「ニュース9」担当の井上アナだった。
「大越アナ一人だけを飛ばせば露骨に取られるため、同時に井上アナも京都放送局に異動させて人材の還流を装ったんです。その時、ベテラン局員たちは『必ず戻す。少し待ってくれ』と井上アナに告げました。NHKの人事異動は3年が区切りですが、そういった経緯があったため、2年という異例のスピードで東京に戻した。上田良一氏が新会長就任となったこのタイミングで、局内は“脱・籾井前会長”をアピールしたいんです」(NHK局員)
そのイメージ戦略にも井上アナはバッチリ。女子アナ評論家の丸山大次郎氏も、こう評する。
「民放のアイドルアナとは一線を画した存在です。実力も好感度も安定感のあるキャスターだと思います」
しかし、頭を悩ませるのが有働由美子アナ(47)の扱いだと、別のNHK局員が続けた。
「彼女が籾井さんのお気に入りなのは有名です。政財界の人間と籾井さんの会合に有働アナが同席することまであり、局内では籾井派と目されています。当の有働アナが『フリーにはならない』宣言をしているため、『あさイチ』のキャスターは現時点では継続しますが、本音ではアナ職を卒業してもらいたいんです。そのためにもポスト有働アナを育てたい。有働アナには、念願の女性理事就任という道もあります」(前出・局員)
NHKは本気だ。ポスト有働筆頭の井上アナが全国放送復帰を果たしたばかりか、看板ニュース番組のメインキャスターをこの春に一新。井上アナと同期の鈴木菜穂子アナ(34)が「ニュース7」の平日メインキャスターを担う。
「背景にあるのは“大越事件”によって委縮した報道局の立て直し。鈴木アナには既婚者としての視点を発揮してもらい、若い主婦などの視聴率も狙っているんです」
前出の丸山氏も太鼓判を押す。
「井上アナよりも物腰が柔らかく、老若男女問わずに好かれる。彼女は『おはよう日本』⇒『ニュース9』⇒『ニュース7』の平日版という、NHKアナにとって王道の出世コースを順当に上がってきましたね」
そして20代で大役を担うのは、桑子真帆アナ(29)。「ニュース9」のメインキャスターに大抜擢される。
16年、桑子アナの出世番組となったバラエティ番組「ブラタモリ」を降り、「ニュースチェック11」に起用された際、共演していたタモリが「せっかく育てたのに」と嘆いたほどの逸材アナである。
「桑子さんは、昨年の暮れに少し落ち込んでいたそうで、退社も考えたと言われています。なんでも『ブラタモリ』を外れたことへの意趣返しで、大手芸能プロも興味を示していたとささやかれている。局内では、スターアナの流出を防ぐべく、今回の抜擢だったともっぱらです」
いずれにせよ、NHKがアグレッシブだ。元日本テレビプロデューサー・村上和彦氏も言う。
「受信料をもらっているNHKであってもおもしろい番組を届けたいと思っているし、視聴率を取れるくふうもしている。若者層の視聴者を取り込みたいという思惑が、今回の改編では積極的に現れているのでは」
NHKの美女総出作戦は、功を奏すだろうか。