芸能

ビートたけしの名言集「弟子志願者が殿をロビーまで呼びつけた」

「たけしさんの弟子って、辞めた人も合わせると、何人くらいいるんですか?」

 つい先日、ある特番の会議で、ディレクターさんから聞かれた質問です。今現在、殿に弟子入りを直訴し認められ、“ビートたけしの弟子”として活動している芸人は20数名。かつて在籍し、もう辞めてしまったお弟子さんは、ざっと30数名。わたくしの計算によると、今まで60名程の人間が、一度は「たけし軍団」を名乗り、活動していたことになります。直属の弟子を、これほど多く取った芸人は、きっと、殿が初めてではないでしょうか。

 で、今も、主に春になると、殿の前に現れる、恐ろしく思い詰めた表情の、“目が飛んでる”弟子入り志願者を見ると、20年程前、弟子入りを直訴した、当時の、“俺は絶対にたけしの弟子になれるはず”と、勝手に思い込んでいた、重度の“たけしノイローゼ”だった自分自身を思い出さずにはいられません。殿の弟子になれた者、なれなかった者、そのどちらも関係なく、弟子入りを直訴した者の誰もがきっと、わたくし同様、“たけしノイローゼ”をこじらせていたはずです。とにかく、今も昔も、殿の元へ弟子入りに来る面々は、どこかおかしな、少しばかり危ないヤツがやってくるものと、相場が決まっています。

「そう言えば昔、弟子入りを断ったら、『そうですか。それじゃー森進一さんの事務所を教えてくれませんか?』ってのもいたな。あいつはいったい何になりたかったんだ!」

「前にすごいのがいたぞ。『僕はアインシュタインの脳と、イチローの体を持ち合わせた人間です。どうか弟子にしてください』ってのが」

 で、殿がかつての“変わり種”弟子入り志願者を振り返り語る時、必ず名前が出てくるのが、殿の運転手をされていた、ショー小菅さんです。ちなみに彼の芸名は、80年代にアメリカで日系人役者として活躍した「ショー・コスギ」にあやかったもの。それはさておき、小菅さんは、殿が泊まりの仕事で地元の福岡にやってきた際、ホテルとチェックインした部屋を調べ上げると、ロビーから殿の部屋へ直接電話をかけたそうです。その時の様子を、殿はこう語っていました。

「部屋で休んでたら、電話が鳴ってよ。出たら『すいません。たけしさんですか? わたし、弟子入り志願の者なんですが、ちょっとロビーまで降りてきてもらえませんか?』って言うんだよ。しかたねーから、降りて行って話を聞いてやったんだけどよ。どこの世界に、これからお世話になるって人に向かって、『ロビーまで降りてきてくれ』って言うバカがいるんだよ。ずうずうしいにも程があんだろ!

 確かに、かなり非常識なやり方です。が、かつての、“自分自身のたけしノイローゼ”を思い返すと、同じようなことをやっていた可能性が十二分にあると強く思い、決して、他人ごとのように聞くことができない、わたくしなのです。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「趣味でUber Eats配達員をやってる」オードリー若林正恭に「必死の生活者」が感じること
2
ラモス瑠偉「W杯惨敗サッカー日本代表コキ下ろし」に抗議電話15万5000件/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
3
桑田真澄に「偉業を全て盗まれた」同級生の元バッテリー捕手が明かす「ほとんど完全試合」時代
4
DeNA大型新人・渡会隆輝「とうとう2軍落ち」に球団内で出ていた「別の意見」
5
「キスしてる?」質問にフジテレビ・井上清華が衝撃「赤面もじもじ返答」の「まさか!」