「いや~しかし、ここんとこよく働いたな~。さすがにこたえたよ」
基本、仕事に対して“しんどさ”を口にしない殿が、珍しく先の発言を漏らすほど、8月&9月の殿のスケジュールは、近年まれに見る異常な忙しさでした。
まず8月は、通常のレギュラー番組5本に加え、総合司会を務め、先ごろ放送のあった「FNS27時間テレビ」での、何日にもわたって行われた番組収録。で、9月の頭からは10月7日公開「アウトレイジ 最終章」の宣伝を兼ねた、さまざまな番組への出演。その合間をぬって、9月5日に「ビートたけし ほぼ単独ライブ 第四弾」開催。ライブの2日後には、ベネチア映画祭に参加すべくイタリアへ。帰国後すぐに、やはり映画の宣伝でのイレギュラーの番組収録。そこへ9月22日発売の小説「アナログ」(新潮社) 関連のお仕事等々。とにかく、わりと近くにいるわたくしでさえ、〈えっ! 殿、あの番組にも出演したの! そんな仕事もやってたの!〉と、驚愕することしきりでした。
そんな大忙しの殿に、イタリアから帰国後、5日程たってお会いすると、「ライブの反響はどうだ?」と、まずは単独ライブの評判を確認。それについて、主にネットでの大反響ぶりなどをお伝えすると、
「そうか、みんな喜んでたか。じゃーあれだな。次はその年の時事ネタをパーッとスクリーンに出して、それについてあーだこーだしゃべるか!」
と早速に、次回のライブの内容を提示。そして、
「そうなると、あれだな。今年もう1回ライブやるってのもありだな!」
と、まさかの“年内もう1発ライブ構想”を高らかにぶち上げたのです。
が、マネージャーにスケジュールを確認すると、年内開催はまったく無理であることが判明。それを受け、
「だったら明けて1月にやるか!『新春お年玉ライブ!!』」
と、あくまで“1日も早いライブ開催”を強く要望。ですが、“やはり1月もスケジュール的に無理。ただ、2月以降ならなんとかなるかも?”とわかると、
「じゃー、2月に『旧正月ライブ』だな。それであれだ。グッズで『たけちゃん羽子板』とか、『たけちゃん門松』とか、『たけちゃん福笑い』とか売ってよ。あと、どさくさに紛れて、『たけちゃん熊手』だって売ったっていいしな!」
と、実に楽しそうに、グッズ案までもぶち上げ出したのです。で、ひと通りライブ構想で盛り上がると、
「だけど、ライブばっかりやってる場合じゃねーな。なんとか、今度出る小説も売らねーといけねーし。こりゃ大変だな」
と、瞬時に目標をコロコロ変える、いつもどおりせっかちで、多忙極まりない殿なのでした。
なので皆様、もしかしたら来年、わりと早い時期に、またどこかの会場で“生”ビートたけしを目撃する機会があるかもです。とにかく、来年1月で、古希プラス1つ年を重ねる殿。まだまだ元気に爆進中です。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!