韓国プロ野球を代表するスラッガーが引退試合に2ホーマーを放ち有終の美を飾った。日本でもロッテ、巨人などで活躍したイ・スンヨプ(サムスン)だ。
2003年に韓国記録となるシーズン56本塁打を記録し、04年に千葉ロッテに入団。05年にはロッテの日本一に貢献し、06年には巨人に移籍。チーム全体が不調の中、孤軍奮闘し打率.323、41本塁打、108打点の活躍を見せた。
11年にはオリックス・バファローズに入団したが、成績が伸び悩み、翌年は韓国の古巣・サムスンに復帰していた。
引退試合のホームランと言えば、先日、千葉ロッテ・井口資仁が「9回裏劇的同点弾」を放っている。
ミスターこと巨人・長嶋茂雄は、中日とのダブルヘッダー1試合目にホームランを放ち、同試合で王貞治もホームランを打ったため引退試合でのONアベックホームランを成立させた「巨人軍は永久に不滅弾」があった。
堀内恒夫は、引退試合の8回裏にリリーフ登板、その後、打順が周りホームランを打って「セーブ&本塁打」を決めた。原辰徳も打った瞬間の「確信歩き&バット投げ」ホームランを放っている。
引退選手が、ホームランバッターではないケースとなると、さらに感動的になる。08年に引退した小野公誠(ヤクルト)は、プロ最終打席で、ホームランを打った。実は小野、1997年に「プロ初打席初ホームラン」を放っており、史上初の「初打席と最終打席がホームラン」(ちなみに通算16本)という珍記録を持っている。
引退試合で2ホーマーを放った選手は日本にもいる。13年の横浜DeNA・小池正晃だ。チーム最終戦の2打席目、4回裏にシーズン第1号を放つと、3打席目はセンター前ヒット。8回裏の4打席目に立つと、目をうるませながら打席に立ち(横浜高校時代からのチームメイト・後藤武敏もベンチで涙を流す)、フルスイング。「泣きながらおかわり」を放ってみせた。
最後は阪神タイガースの「代打の神様」桧山進次郎。舞台は13年、甲子園で行われたクライマックスシリーズ・ファーストステージ。5点ビハインドで迎えた9回裏、2アウト1塁の場面に代打で登場し、ファンの待つライトスタンドを打球を放り込む「神の一打」。この試合に敗れた阪神はCS敗退が決定したため、シーズン限りで引退する桧山の最終打席でのホームランとなった。
野球人生の集大成をホームランで飾る。打者として、これほどの誉れはない。