11月14日は世界糖尿病デーだった。日本では成人の4人に1人といわれる糖尿病だが、その予防にあの野菜が効く!
「糖尿病はインスリン作用が十分でないため、高血糖の状態になる代謝疾患です。血糖値が高い状態は、血管を傷つけ、長い時間をかけて血管をボロボロにし、心臓、脳、腎臓などの血管や神経が侵され、全身にさまざまな重篤な影響が出てくるんです」(江田内科クリニック・江田正院長)
その糖尿病が今、爆発的に増え続けている。国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、2015年現在で糖尿病有病者数は4億1500万人に上り、11人に1人が糖尿病有病者と推定され、2040年までに6億4200万人に増加すると予測している。
この糖尿病に対して「団結しよう」をスローガンに、世界各地で糖尿病の啓発活動を行う日としてインスリンを発見したバンティング博士の誕生日の11月14日が「世界糖尿病デー」と制定された。我が国の都道府県別の糖尿病による死亡率を見てみると、徳島、香川の両県がトップを争っているが、特に「うどん県」としてPRを展開している香川県の死亡率の高さが目立つ。
「香川県民がソウルフード“讃岐うどん”を愛するあまり、食べ過ぎによる偏食、栄養バランスにおける偏りが生じていることも、その一因となっているようです」(香川県)。
香川県では県立坂出商業高校の生徒がうどん県の県民病“糖尿病”を予防するアプリを開発するなど糖尿病対策が進んでいる。かように、糖尿病対策は一にも二にも食生活の改善が迫られるが、そんな中、今年6月にブロッコリーが糖尿病に効くと発表された。
〈ブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)に多く含まれるスルフォラファンが、血糖コントロールを改善する〉という研究を発表したのは、スウェーデンのイェーテボリ大学のアンデルスローゼンガレン助教授らとルンド大学糖尿病センターとの共同グループ。この「スルフォラファン」に肥満やインスリン抵抗性を抑える作用があることは日本でも、金沢大学の研究グループも明らかにしており、研究はさらに進みそうだ。そしてスルフォラファンが含まれているという点以外でも、ブロッコリーは栄養価が高い優れものとフードコンサルタントの中川貴子管理栄養士は言う。
「低カロリーで炭水化物が少なくタンパク質が多いのが特徴。食物繊維も多い。ビタミン類、特に葉酸、カリウム、マグネシウム、リンなどのミネラルも多いし、ポリフェノールも多い。おすすめです」
これからが旬のブロッコリー。どんな料理にも使えるしおいしい。血糖値が気になる向きはおかずに一品追加してみてはどうだろうか。
(谷川渓)