貴乃花親方、惨敗!2月2日に行われた日本相撲協会の理事選にて、貴乃花光司親方がわずか2票しか獲得できず、あえなく落選した。貴乃花一門では12票の基礎票を持つとされていたが、もう一人立候補した阿武松親方は8票に終わっており、2票が他の親方に流れたことになる。その原因は投票方式にあったとの指摘がなされているという。
この手の選挙では、投票用紙に記載された立候補者の名前にマルを付ける方式が一般的。ところが、この理事選では、投票したい親方の名前を記入する方式だったという。101人しか投票しない理事選挙では、筆跡などから誰がどの親方に投票したかを推測するのは容易で、事実上の“公開投票”と化していたのである。
「このご時世に、投票者の意思がわかる形を採用したことには驚きました。国会や地方議会などの公職選挙では憲法第15条にて“秘密投票”が保障されており、どの有権者が誰に票を投じたのかは絶対にわからないようになっています。その秘密投票は私的団体の選挙でも広まっており、かつては記名投票が当たり前だったPTAの選挙やアンケートでも、最近は無記名方式が一般化。これにより一部の“声の大きな保護者”がのさばる悪弊を脱し、開かれた自由闊達なPTAが実現しているのです。そんな世間の方向性に逆行する日本相撲協会は、旧弊に毒されていると指摘せざるを得ませんね」(週刊誌記者)
日本相撲協会でもかつて、マル付け方式の秘密投票を採用していたこともあるという。しかしそれを踏襲せず、いつの間にか投票方式を変更していたのであれば、大きな問題ではないだろうか。
「日本相撲協会は公益財団法人として税金の減免を受けている公的な組織です。その理事選も公益性を帯びているわけで、一部の支配的な理事たちの都合で投票方式を勝手に変更することが認められていいわけがありません。今回の投票結果については評議員会で認められるかどうか以前の問題として、監督官庁の文部科学省が指導力を発揮すべきではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)
日本相撲協会はこのままでは、かつてのPTA以下の組織ということか。今回の理事選はその公益性が大きく問われる事案となったのかもしれない。
(金田麻有)