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Posted on 2026年04月15日 07:30

ホンダ小型EV「スーパーワン」が車ファンの心をワシ摑みする「スクランブルブースト再現」と「最大補助金」ウマイ活用法

2026年04月15日 07:30

 車好き界隈が、久しぶりにザワついている。ホンダが4月16日から先行予約を開始する小型EV「Super-ONE(スーパーワン)」。発表の翌日から販売店への問い合わせが増え、SNSには「これだよ、これ」という喜びが流れた。EVの話題でここまで車好きの気持ちが動いたのは、少なくとも国産車では記憶にない。

 見れば分かる。あのブリスターフェンダーを。1980年代、シティ・ターボⅡが「ブルドッグ」と呼ばれた頃の張り出したフェンダーが、令和の街に降りてきた。
 軽をベースにしながらトレッドを拡大して普通車サイズに仕立てた車体は、「軽の延長」などという生ぬるい話ではない。50代にはブルドッグへの既視感が刺さり、20代にはレトロなかっこよさがグッとくる。ホンダは異なる世代を一台で狙い撃ちにしてきた。

 その走りとて、ただ見た目を懐かしんで終わるわけではない。車重1090キロという国内乗用EVクラス最軽量レベルの軽さに、床下中央への薄型バッテリー搭載による低重心設計が組み合わさり、小気味よいハンドリングを実現している。航続距離はWLTCモードで274キロ。日常の足としては十分な数字だ。

 そこにBOOSTモードが加わると、出力は通常の47kWから70kWに跳ね上がる。仮想7速シフトが入り、BOSEの8スピーカーからエンジンサウンドが鳴る。
 もともとシティ・ターボⅡには、エンジン回転4000rpm以下でアクセル全開時に過給圧を10秒間だけ約10%上げる「スクランブルブースト」という機能があった。あの「一瞬だけ豹変する」感覚を、40年越しにEVで再現しようとしている。コンセプト名が「e: Dash BOOSTER」というのも、わざとらしいほど正直だ。

補助後の実質負担額に起きる「逆転現象」

 本体価格は339万円前後と伝えられている。「ちょっと高いな」と思った人は少なくないだろう。だが、ここで話を終えるのは惜しい。ベース車のN-ONE e:は軽自動車で、補助金の上限は58万円。スーパーワンは普通車なので、国のCEV補助金の上限が最大130万円に跳ね上がる。仮に満額適用されれば、約20万円高いベース車の軽EVより、補助後の実質負担が50万円以上安くなる「逆転現象」が起きうる。

 東京都に住んでいるならば「もう一段」が加わる。都のZEV補助金は条件次第で、EVに最大100万円が出る制度だ。ホンダのメーカー評価だけで最大60万円、そこにV2H設備の導入や再エネ電力契約が重なれば上乗せされていく仕組みで、先に触れた国の補助と合算すれば、200万円超の引き下げという試算も理論上は成り立つ。ただし「最大」は積み上げの天井であって、実際にスーパーワンにいくら乗るかは、5月の正式発売後にしか分からない。
 ここで確実なことがひとつある。補助金には予算枠があり、原則として先着順だ。迷っている間に、枠は埋まるだろう。

 EVは売れない、と言われ続けてきた。だが「欲しいEV」が出た瞬間に、その空気は変わる。プレリュードでホンダ党から「これじゃない」とそっぽを向かれたホンダが、なぜか今回は急所を突いてきた。その違和感を含めて、この車は面白い。
 これが本物かどうかは、5月末の受注台数だけが知っている。

(ケン高田)

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