社会
Posted on 2025年09月07日 15:00

能登半島地震でも活躍「スターリンク」が急拡大で防災の切り札になる

2025年09月07日 15:00

 スマホがつながらない、停電で光回線までもが途絶える。そんなとき、空からネットを届けてくれるのが米スペースX社の衛星インターネット「スターリンク」だ。日本でも利用者は着実に増えており、その背景には災害大国ならではの事情がある。

 スターリンクは、地球を周回する7000基以上の小型衛星を経由して高速通信を実現する仕組み。山間部や離島でもアンテナと電源さえあれば使えるため、基地局に依存しないのが最大の強みだ。実際、2024年の能登半島地震ではKDDIが自治体や電力会社に端末を配備し、停電下でも避難所や復旧現場で通信を確保。現地の医療機関からも「スターリンクのおかげで状況報告や連絡が滞りなく行えた」との声が上がり、国内での導入機運を一気に押し上げた。

 導入コストは決して高くない。標準キットは5万5000円だが、今年1月に登場した小型版「スターリンクMini」は3万4800円。重さは約1.1キロ、消費電力は25~40Wと省エネで、バックパックに収まるサイズだ。

 サービス利用料は基本月額6500円(Roamプラン/50GB)。Roamは国内どこでも使えるモバイル向け契約で、Miniを選ぶ多くの利用者がこのプランを利用している。
 
 活用シーンは様々だ。RV車で山間部に分け入ったとき、通常の携帯電波が届かない場所でもアンテナを空の開けたスペースに置けば即座に通信が可能になる。釣りやクルージングといった海上でも、電源さえ確保できれば安定した回線が手に入る。キャンプ場や離島でのワーケーションなど、これまで「ネットが届かない」と諦めていた場所こそ、スターリンクの強みが発揮される場面だ。

 もちろん課題もある。アップロード速度は固定回線に比べて不安定で、雲や建物の影響を受けやすい。さらに日本では走行中の利用が法令で禁じられており、車載での常時利用は制度改正を待つ必要がある。

 それでも、災害時の心強さは代えがたい。自治体では避難所に常備し、災害発生と同時に立ち上げられる体制を整える動きも進む。ドコモやKDDIといった通信大手も導入を後押ししており、「防災インフラ」としての存在感は確実に高まっている。

 スターリンクはもはや単なる新技術ではなく、「非常時のライフライン」として定着しつつある。停電や通信障害にも揺るがない安心感を備え、いざという時に頼れる存在となる。利用者はこれからも確実に増えていくだろう。

(ケン高田)

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