政治
Posted on 2026年04月14日 07:15

ペルシャ湾「監禁船舶」タンカーから釣り糸を垂らしてイカや太刀魚を…水と食料枯渇の地獄絵図

2026年04月14日 07:15

 アメリカとイランによる停戦交渉が物別れに終わったことを受け、アメリカのトランプ大統領は「イランに対する攻撃の再開」と「米軍によるホルムズ海峡の封鎖」を宣言。イランの革命防衛隊は「敵がたった一度でも誤った判断をするならば、海峡は彼らを飲み込む死の渦となるだろう」として反発を強めており、事実上の封鎖状態が続いているホルムズ海峡は、さらなる混乱状態に陥りつつある。

 そんな中、長期間にわたってペルシャ湾内での滞留を余儀なくされている船舶(タンカーや貨物船など)の乗組員らのストレスは、限界を迎えている。
 国際海事機関(IMO)の推計によれば、ペルシャ湾内では目下、約3000隻の船舶と2万人を超える船員が「監禁状態」に置かれているという。このうち日本関連の船舶は42隻とされ、日本人乗組員20人を含む約1000人の船員が日本以外の船舶と同様、食料や飲料水の枯渇によって、命の危険に晒されているのだ。

 ペルシャ湾とホルムズ海峡の情勢を観察してきた海運関係者が明かす。
「生存に必要な食料や水が底を突き始める中、船員らはSNSや超短波無線(VHF)などを通じて湾岸諸国にSOSを発信し続けていますが、戦火の拡大で調達は困難を極めています。中でも深刻なのが生鮮食料の枯渇で、船員らはタンカーなどの船上から釣り糸を垂らし、イカやタチウオやマグロなどを釣って、ヒタヒタと迫り来る飢えを凌いでいる、との報告が上がってきています」

冷房装置から出る凝縮水を集めて喉の渇きを癒やし…

 飲料水や生活用水の不足も死活問題になりつつある。海運関係者が続ける。
「外洋などを航行している場合は、逆浸透装置によって、海水から淡水を作り出すことができます。ところが停泊中は、装置が泥などによる目詰まりを起こし、淡水を補給することが難しくなる。そのため、船員らは冷房装置から出る凝縮水を集めてシャワーや洗濯などの生活用水に充てているほか、一部の船舶では凝縮水で喉の渇きを癒やしていると聞いています」

 実際に人命被害も発生している。3月18日にはペルシャ湾に停泊していたタンカーの船長が心筋梗塞で倒れたが、必要な医療支援を受けられないまま死亡。戦況悪化でヘリによる搬送ができず、高速艇で病院に搬送されたものの、手遅れだったというのだ。

 日増しに高まる命の危険。ホルムズ海峡の安全な通行が保証されない限り、船員らの「地獄絵図」はさらに続くことになる。

(石森巌/ジャーナリスト)

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