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記事全文を読む→次から次へと個人情報流出の元凶は「自民党デジタル社会推進本部」と岸田文雄の「サイバーセキュリティー人材ゼロ回答」
9月後半から10月にかけて、日本国内で企業や公共機関を狙ったサイバー攻撃、不正アクセスによる個人情報流出の公表がこれでもかと相次いでいる。
9月25日にはカーシェアリングサービス「タイムズカー」が不正アクセスを検知。その後の調査で660万件のアカウント情報、約160万件の運転免許証画像や住民票画像などの本人確認書類が流出した。
他にサイバー攻撃に遭った企業を挙げただけでも京王電鉄、ニッポンレンタカー、セイコーマート、ヤマト運輸、佐川急便。10月に入るとアフラックと第一生命、大和証券、リクルート、日経新聞、GMO関連企業が狙われた。10月5日には「焼肉きんぐ」などを運営する物語コーポレーションで、1078万8963件もの顧客情報が流出した。
大阪公立大学ではランサムウェア攻撃によって、約500台のサーバーが停止。在学生や卒業生ら13万人分の個人情報が流出した可能性があり、全講義を休講とする事態になっている。
ここまで短期間に我々の日常生活を支える幅広い業種・組織が集中的に狙われたのはなぜか。ハッカー犯罪集団がAIを使ってこれら企業のサイバーセキュリティー網の共通の弱点を分析、似たようなセキュリティーシステムを使う企業に一斉攻撃をかけたものとみられる。
これらサイバー攻撃に対し、政府は「サイバー対処能力強化法」を10月1日に施行したばかり。 内閣官房に置かれた国家サイバー統括室が官民の情報共有、サイバー攻撃の分析など、ネット上の安全保障を指揮することになる。
ところが政府・自民党は岸田文雄政権時代、2022年から2026年度でデジタル人材を230万人養成という数値目標を掲げたが、高度サイバーセキュリティー人材については「強力に推進する」と書くにとどめ、具体的な数値目標や予算額を挙げてこなかった。
事実、日本の高度サイバーセキュリティーの人材育成は、お粗末のひと言に尽きる。高校卒業後、専門教育を受けられる大学がほとんどないのだ。
日本国内で情報セキュリティー学科を標榜しているのは、長崎県立大学(定数80)のみ。東京大学は別の学部・学科に入学した学生が、全学横断のサイバーセキュリティー教育プログラムを履修するシステムだ。
東京農工大学や電気通信大学、近畿大学や立命館大学は2年次以降にサイバーセキュリティーコースや研究室を選択する。慶應義塾大学SFCの同コースは、2025年度実施入試より廃止になった。
日本のサイバー空間を守らんとする学生は100人ちょっとしかいないのだから、そりゃ日本国内で個人情報がダダ漏れになるわけだ。
高度サイバーセキュリティー職の給料はアメリカの10分の1
専門学校で学ぼうとすると、さらに大変だ。学費は年間100万円以上で、高性能のパソコンが必要となる。ところが奨学金や助成金、補助金はほぼ対象外。最後の頼みである国民政策金融公庫の学費ローン貸付は、実に高圧的だ。これは筆者の実体験によるものである。
助成金と奨学金を1円ももらえず、数百万円の学費をかけても高度サイバーセキュリティー職の年俸は400万円から2000万円(管理職)。アメリカの1/5から1/10という薄給だ。進学校に在籍する金銭的に恵まれた秀才ならアメリカ留学し、現地でAI研究の道を選ぶ。かくして日本だけがAI開発、サイバー攻撃戦争に取り残されてしまった。
さらに、自民党のデジタル社会推進本部(岸田文雄最高顧問、平井卓也本部長)は今年「デジタル人材を何人育てるか」という具体的な数値目標すら掲げるのをやめた。岸田顧問らは「デジタル・ニッポン2026」提言の中で「何人育成するかといった量的指標や固定的な職種分類では実態を十分に捉えられない。スキルを可視化する」とサイバーセキュリティー職について、まさかのゼロ回答をしたのだ。
平井本部長もデジタル改革担当相だった2021年当時、「NECには死んでも発注しない」「脅しておいた方がいい」と、渦中の簗和生農林水産大臣の「自民党を支持しなかった自治体の予算カット」以上の問題発言をした人物だ。
これだけ企業の個人情報流出が続いているのだから、高市早苗総理は党内の既得権益ムラをバッサリ切り捨て、AIエンジニアである「チームみらい」の安野貴博党首に知恵を請うた方がいいと思うが……。
(那須優子)
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