大阪府内でだんじりの横転事故が相次いだ。泉佐野市と泉大津市で起きた10月10日の事故では男性2人が死亡し、16人が重軽傷を負った。その1週間前の10月3日には堺市で横転事故が起き、男性11人がケガをして病院に搬送されている。こうした事故で出...
記事全文を読む→【街ブラルポルタージュ】「横浜カオス」なぜ彼らはこの街に惹かれるのか〈第1回・関内〉(3)イセザキ・モールの「妖精」
自宅から野毛に歩いて向かう際、いつもイセザキ・モールを横切ることになる。というか、毎日酒を飲んでいるわけではないので、どちらかというとイセザキ・モールのほうに入り浸っていることが多い。
全長1.4kmあるイセザキ・モールは、24時間365日、歩行者天国になっている。自転車も通行禁止になってはいるものの、結構な割合でモール内を自転車が走り去っていく。しかし、誰も文句は言わない。きっとみんな、急いでいるときや歩くのがかったるいときなど、いざとなったときに自転車でモールを突っ切りたいからだ。
このイセザキ・モール、昔から一帯に住んでいる人から言わせれば、「個人商売の人たちがいなくなり、だいぶつまらなくなった」そうだ。たしかに、飲食店はチェーン店が目立つし、ここ数年で一気に勢力を伸ばしている中国勢の店も目立つ。要は個性豊かだった商店街が、均質化しつつあるのだ。
ただ、イセザキ・モールにはほかの商店街にはない特筆すべき大きな魅力がひとつある。ここには、私が「妖精」と呼ぶ人たちが非常に多く滞留しているのだ。
では、まず「妖精」のわかりやすい例を3つ。
ある日、イセザキ・モールを歩いていると、前方から右に左に蛇行しながら進んでいるおじさんがいた。遠目に見てもわかるくらい「何かデカいもの」を持っている。だんだん近づいてくるにつれて、それは脚立だとわかったが、目の前まで来たとき、私は「キエーッ!」という奇声を上げそうになった。
そのおじさんは脚立の踏み桟の間に身体を入れ、電車ごっこみたいにして歩いていた。もしかしたら、どこかへ脚立を運ぶ用事があって、楽な方法を編み出したのかもしれない。そう考えていったん吞み込んだものの、野毛で飲んだ帰り道にイセザキ・モールでまた脚立に挟まれた状態のおじさんとすれ違ったのだった。
また、あるときは、イセザキ・モールを歩いているおじいさんに20羽くらいのハトが群がっていた。寿町なんかに行くと、よく暇潰しにハトに餌をあげている人がいるが、そういうわけでもなさそうだ。おじいさんの周りを360度回って見てみたが、ただ歩いているだけである。私は気になりすぎておじいさんに話しかけてみた。
「ものすごいハトに人気ですけど、エサでもあげてたんですか?」
「いや~、エサなんかあげてないんだけど、ついてくるんだよね」
「いつもなんですか?」
「そう、いつも」
「なんでだと思いますか?」
「なんでだろうね~。私が眼鏡をしているからだと思う」
私も眼鏡をしているし、そんな人はそのへんにいっぱいいる。
先日、中国に旅行へ行った。出発の前日、友人とイセザキ・モールを歩きながら「明日から中国に行くんだよね」と話していたら、横から知らないおじさんがいきなり話に入ってきた。
「私も中国には縁があってね、年に4回は行っているよ。それを20年続けているから、もう80回近くは行ったことになるね。ここまで中国に詳しい日本人はなかなかいないと思うよ」
「そうなんですね」
知らないおじさんの旅行話にはそこまで興味がなかったが、私も友人もおじさんもとくにこの後予定があるわけではない。気づけばおじさんのスマホにある旅の写真フォルダを3人で一緒に見ていたのであった。
「妖精」の定義はいたって簡単で、とくにすることもないのに、街をぶらぶら歩いている人のことである。東京にいる人間には、たいていその場所を歩いている理由がある。新宿にいる人は新宿に用があるし、渋谷にいる人は渋谷に行く理由があって渋谷にいる。だから東京には、妖精がほとんどいない。
妖精が街にあふれるとどんなことが起きるか。妖精同士の交流が生まれる。見ず知らずのおじさんが中国旅行の話に割り込んできたのも、彼が妖精であり、私たちもまた妖精だったからだ。
イセザキ・モールの魅力を語っていたら、福富町と寿町を歩く前に終わりが来てしまった。また次回以降、ブラつくことにしよう。
國友公司(くにとも・こうじ)1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライター活動を始める。著書「ルポ西成」「ルポ路上生活」「ルポ歌舞伎町」「西成ユートピア」「ワイルドサイド漂流記」。連載「日本場末スナック放浪記」など。
アサ芸チョイス
アメリカ・トランプ大統領との首脳会談の場を利用し、高市早苗首相への的外れな口撃に終始したのは、中国の習近平国家主席だ。日本のメディアは米中双方が「同盟」という言葉をどう使ったかなどと、表層の言葉尻を捉えて大騒ぎしているが、完全に本質を見誤っ...
記事全文を読む→昨年、アサヒグループホールディングスに不正アクセスを仕掛けた海外ハッカー集団の中枢メンバーが、なんと大阪で捕まっていた。10月6日の各国における報道によれば、日本の捜査当局が拘束したのは「Qilin(キリン)」の中心人物とされる28歳で、ロ...
記事全文を読む→9月の金融政策決定会合で利上げに反対した佐藤綾野審議委員がなんと、利上げ継続の立場を示す日銀の方針に同調発言し、大きな波紋が広がっている。投資ストラテジストが明かす。「7月に審議委員に就任した佐藤氏と、4月に就任の中央大学・浅田統一郎名誉教...
記事全文を読む→
