社会
Posted on 2025年11月27日 20:00

香港「高層マンション大規模火災」で浮き彫りになった「致命的な弱点」竹製足場の炎が外壁をつたって上階へ一直線!

2025年11月27日 20:00

 香港・新界北部の大埔区で11月26日午後、高層マンション群を襲った大規模火災は一夜明けても鎮火せず、死者は55人に達し、270人以上と連絡が取れていない。
 マンションは大規模修繕工事を行っており、建物周囲には竹製の足場が組まれていた。30階超の8棟のうち7棟が炎に包まれ、足場を伝って火は上階へ瞬く間に広がった。消防車140台以上、隊員800人超が総動員されたが、上層階の消火は難航。消防隊員1名が殉職している。

 この様子がテレビニュースで大々的に報じられたことで、その燃え盛る様子を画面で目の当たりにして驚いた人は多かったことだろう。
 なぜ香港ではここまで被害が拡大しやすいのか。背景には香港独特の住宅事情と家庭事情があった。

 住宅価格の高さから親子三世代同居は珍しくなく、一戸あたりの居住人数は日本より明らかに多い。狭い部屋に家財が積み上がり、火災時には逃げ道が塞がれやすい環境である。
 さらに香港では多くの家庭が住み込みの外国人ヘルパー(メイド)を雇う。調理や家事を担当するが、建物の構造や避難経路に不慣れなケースがあり、火災の初期対応や避難が遅れる。

 そこに追い打ちをかけるのが、工事現場で一般的な竹製の足場だ。これは可燃性が高く、防護ネットと組み合わさることで外壁をつたい、炎が上階へ一直線に駆け上がる。高層ビルが密集する香港では、外側からの延焼が最悪の形で広がりやすい。

 さらに古いマンションでは、住戸を複数に分割した違法住宅が存在する。窓や避難経路が限られ、火災時には「袋小路化」しやすい。夜間、家族やヘルパーが対応に追われる中、高齢者や子供が逃げ遅れるケースは少なくないのだ。

 人口密度、過密居住、家事代行の存在、老朽建築、竹製足場…複数の要因が重なり、香港の高層マンションは火災に対して非常に脆弱だ。今回の悲劇は、その致命的な弱点があらわになった出来事と言えるだろう。

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