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記事全文を読む→【大相撲秋場所】熱海富士の大関獲りの陰に隠れた「左大腿部外傷性コンパートメント症候群」若隆景の苦境と不屈の復活ロード
大関獲りレースには光と影がある。
大関昇進に挑んでいる東関脇・熱海富士(伊勢ケ浜)が大相撲秋場所(両国国技館)10日目の9月22日、大関・琴桜を押し出しで破り、勝ち越しを決めた。これで大関昇進の目安とされる、三役で直近3場所33勝まであと4勝とし、賜杯争いでもトップの横綱・大の里との1差を守った。
昨年4月に180キロだった体重が自己最高、幕内最重量の198キロに達し、その巨体を生かした相撲で勝ち星を積み重ねている。一方で立場が激変した力士がいる。場所前、日本相撲協会に「左大腿部外傷性コンパートメント症候群の術後」との診断書を提出した東前頭12枚目の若隆景(荒汐)だ。
全休すれば九州場所(11月8日初日・福岡国際センター)は十両転落が確実だが、その後の復帰時期も不透明。スポーツ紙大相撲担当記者が、今後について次のように話す。
「今年5月の夏場所で自身2度目となる幕内最高優勝を果たし、大関昇進レースの先頭を走っていましたが、7月の名古屋場所前の稽古中に左太腿を負傷し、1分1秒を争う緊急手術を受けました。師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)は『最初の処置が1時間半か2時間遅ければ、足を失っていた可能性は高く、手術は4度に及んだ」と明かしています」
三段目の上位まで落ちるかもしれないリハビリ状況
相撲協会に提出した診断書では「今後2カ月の通加療とリハビリを要す」とあり、
「かなりの重症で、九州場所に間に合うか微妙でしょうね。九州場所を全休すれば、来年の初場所(1月10日初日・両国国技館)は10枚目(十両)の下位。仮にそこでも全休となれば幕下どころか、番付が60枚は下がることになる。三段目の上位まで落ちることも予想されます」(前出・大相撲担当記者)
2023年にも右膝の前十字靭帯断裂などの大ケガにより、4場所連続の休場で幕下6枚目まで落ちている。それでも幕下優勝、十両優勝を重ねて幕内に返り咲くと、夏場所では優勝して関脇まで番付を戻した。
「その実力と不屈の精神力は証明済みで、必ず幕内に戻ってくるはず」(相撲協会関係者)
かつて膝のケガで大関から序二段まで陥落した伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)が横綱に昇進した例もある。骨折や強い打撲などの外傷が引き起こす大腿コンパートメント症候群は、血液が途絶えることで筋肉や神経が壊死することもあり、無理は禁物だ。大関・霧島(音羽山)の綱獲りが絶望的となり、熱海富士の大関昇進がクローズアップされるが、玄人好みの相撲巧者でスー女(相撲女子)からも人気があるかつての大関候補、若隆景の復活ロードが大いに気になるのである。
(阿部勝彦)
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