政治
Posted on 2026年07月13日 06:30

【側近粛清の闇事情】中国・習近平が「裸の王様」と化したら政権高官は「寝そべり族」だらけになった

2026年07月13日 06:30

 中国では必要最小限の働きで生活する若者の生き方を「躺平」(タンピン=寝そべり)」と呼んで、中国政府は「向上心がない」「社会に悪影響を与える」という理由で大キャンペーンを続けているが、今やそんな「寝そべり族」は習近平政府にも及んでいるから驚く。今、何が起こっているのだろうか。

 中国から日本に移住して1年になるビジネスマンの劉言言さんは、こう教えてくれる。
「昨年の秋から習近平主席の動静が伝わらなくなった。最近になって、主席の側近で前向きに仕事をしているのは王毅外相と、全人代の蔡寄常務委員ぐらいと言われています」
 昨秋から今春にかけて起こった事件といえば、習近平主席の側近だった張又狭、劉振立、苗華の各氏が相次いで粛清されたことだ。

 中でも張又狭氏は習近平主席が最も苦境にあった青年時代から交流がある、古くからの友人だった。ところが習主席は、最も信頼する人物として張氏を実質的ナンバー2の中央軍事委員副主席に任命しておきながら、汚職の罪を被せて粛清したのだ。これに中国共産党の高官が「なぜだ」と驚愕したのは当然である。

 高官に限らず、中国人は組織の「空気」を読むことに長けている。正確に言えば、権力の流れを読み間違えれば出世の道を阻まれるだけでなく、人生そのものを終わりにしてしまうので、権力者の本音を掴む努力は半端ではない。
 共産党の高官が「寝そべり族」に変身したと蔑まれるのは、習主席が「裸の王様」になったからだ。

意見した側近が秘密裡に追い落としを図っているのではないかと…

 もともと国家主席の任期は2期10年だった。共産党中国をたびたび混乱に陥れた毛沢東時代を反省して、鄧小平が国家を正しく発展させるために必要として決めたものだ。
 ところが習主席がこれを破り、事実上の終身国家主席の道を開いた。このため高官は習主席になびき、中国政府は習派一色になった。
 権力を握るに従い、習主席は晩年の毛沢東と同じように側近の忠誠心を疑い、意見されるとその側近が秘密裡に追い落としを図っているのではないかと、疑心暗鬼に陥ってしまうようだ。

 中国の王朝には、皇帝が間違えた時には命を懸けて正すことを仕事とする職があった。現代で言えば、マスコミがこれにあたるだろう。しかし中国のマスコミは共産党の宣伝機関だから、習政権を諫めることはない。
 しかも本来、意見を言うべき高官が寝そべりを決め込んでいる。寝そべり族ではない王毅外相と蔡寄常務委員が、習主席の間違いを正すことができるか。それも心もとないのだ。

(団勇人)

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