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記事全文を読む→4年連続No.1「ホンダN-BOX」の牙城に本気で挑む「中国BYDの軽EV3種」最大の問題は「価格と補助金」
軽自動車の王者、ホンダN-BOXが4年連続で新車販売首位に君臨する日本市場に、中国の電気自動車大手BYDが本気の一手を打ち込んでくる。7月28日に正式発表される軽EV「RACCO(ラッコ)」だ。
BYD Auto Japanは発表前から最上位グレード「300Premium」の価格を予想し、正解者の中から抽選で1名に車両を贈るキャンペーン(5月30日~7月12日)を仕掛けた。「いくらで出てくるか」の一点に自動車メディアと販売現場、そして車好きが視線を注いでいる。
軽自動車は年間新車販売の4割弱を占める、日本独自の巨大市場だ。両側スライドドアを備えた「軽スーパーハイトワゴン」は子供の送迎から親の介護まで、現役世代の日常の足として根強い需要がある。BYDがここへ挑むのは、単なる輸入EV参入ではなく、日本の家計に直結する市場への本格参戦を狙ってのものだ。
RACCOのグレードは「200」「300Plus」「300Premium」の3種類。一充電走行距離の参考値はそれぞれ、200kmと300km(国土交通省審査前の自社調べ)。全グレードに両側電動スライドドア、10.1インチタッチスクリーン、Apple CarPlay/Android Auto、安全運転支援機能が標準装備される。
最上位の300Premiumには合皮シート、運転席6Way電動調整、アラウンドビューモニター、足元投影ガイド付きハンズフリースライドドアも加わる。軽の装備競争に、家電的な便利さを持ち込んでいる。
問題はやはり価格だ。仮に300Premiumが300万円台半ばなら、話題にはなっても購入層には届きにくい。250万円から280万円台なら、充実装備と300kmの参考航続距離が一気に現実味を帯びる。「軽なのに高い」という壁を越えずに戦えるかが、最大の焦点だ。
カタログ価格ではなく支払い総額で比べるべし
見逃せないのは補助金。軽EVへの国のCEV補助金は最大58万円で、日産サクラは一律58万円、三菱eKクロスEVは57.4万円。一方、BYDの既存乗用EV(ATTO 3、DOLPHINなど)への補助額は国産軽EVを大幅に下回る水準にとどまっており、RACCOの補助額は正式発表後に対象車両一覧で確認が必要だ。自治体補助金には地域差がある。カタログ価格だけでなく、支払い総額で比べることが肝要だろう。
EVの日常適性は、軽ユーザーの使い方とよく合う。街乗りや送迎中心なら、300kmという参考値は安心材料になる。ガソリンスタンドに立ち寄る手間がなくなることも、高齢ドライバーや子育て世代には利点になりえる。ただし寒冷地での航続低下や充電環境、販売店と整備拠点の近さは地域によって確認が必要だ。
軽ユーザーは価格、使い勝手、リセールを冷静に見る。7月28日に発表される値札は一車種の価格ではなく、BYDが日本の軽市場に食い込むための入場料だ。
N-BOXの牙城そのものを崩すには時間がかかる。それでも日本の軽ユーザーが「選択肢に入る」と感じる水準を突いてきた時、市場は初めて本気で動くかもしれない。
(ケン高田)
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